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No.1137 | これまでのローン返済立替金について相続時精算制度を利用できるか |
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お名前:三河 | カテゴリー:相続税・贈与税 知恵袋 | 質問日:2012年12月22日 |
20年前に父の自宅を購入(競売物件を落札)しました(落札人・登記名義・ローン借入は私)。ローンの返済は父が私名義通帳を使って返済してきました。これまで元利金20百万円を父が立替て私名義で支払ってきたということです(契約書はありません)。ローン残金8百万円です。今回妹がその自宅を引き継ぐこととなり、私から妹へ売買をします。不動産屋で聞いた時価は土地建物で20百万円、相続税評価額は土地建物で11百万円です。相続税評価額で売買することを検討しています。ただ妹が組めるローンの金額は9百万円なので、その差額は父から贈与を受けることとなります。しかしながら父も資金がないので、妹からの売買代金のうちローンで調達した9百万円(私のローン残金の返済に充当します)との差額2百万円を私が受け取ったこととして、それを私がこれまでのローン返済立替金を返済する形で父に返す、父がその2百万円を妹に贈与する、したがって現金は全く動きません。このような状況で、①今回の妹が父から受ける2百万円、私の父が支払ってきたローン元利金20百万円について相続時精算制度を使って贈与を受けることはできるでしょうか。②また市場価格(20百万円)と比べ低い価格である相続税評価額(11百万円)を売買価格とした場合、その差額が贈与とならないでしょうか。③現金の動かない上記差額2百万円について税務上問題がないでしょうか。 |
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No.1 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2012年12月22日 | |
三河さん 公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いいたします。 極めて不自然な話ですね。 残念ながら、三河さんの仰せのように、税務署が解釈するかは疑問です。 たとえば、 不動産の真正の所有者は誰なのか? 父の肩代わり返済自体が、父から三河さんへの贈与ではないか? なぜ今さら精算時課税制度を使うのか? など、お尋ねの①から③以前の問題がかなりありますね。 お尋ねのような複雑でかつリスクの高い案件は、当サイトで簡単にお答えできるような問題ではありません。 資産税に詳しい税理士にご相談されたほうがよいでしょう。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
No.2 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2012年12月23日 | |
三河さん、はじめまして。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。 御父様が、現在の御自宅を貴方の名義にされ、その際に三河さんとしてローンを組まれた借入の元利を支払われた分につきましては、厳密にはその年度ごとの贈与税が課されるというのが原則になり、相続時精算課税の対象にはなりません。ちなみに7年前以前の贈与に関しては、時効として課税の対象にならないし、1年間分のローン支払額は、伺った限りの情報から元本分と利息分を合計しても100万円以下に収まると推計され、よって年間110万円までの非課税枠の範囲内であろうと考えられます。一般的な住宅を妹さんが建てようとされる時に、御父様が現金を贈与してあげれば、贈与税における住宅取得資金の贈与の特例の対象になるのですが、今回のケースのような親族間の売買の場合にはそれにも該当しません。 然れども不動産業者でも無い親族同士の取引で、そうした不動産の所有権移転の際の売買価額等が税務上精査されるのは、そうした事を通じて、相続税等を不当に減少させようとする場合等に絞られ、今回の御兄妹同士間の御自宅の売買に関しては、おそらく生計も別であろうと考えられ、それほど杓子定規に譲渡価額のことを考慮されなくても宜しいかと思います。 従って件の御自宅の土地及び建物の売買価額の決定における一案として、その価額を三河さん名義でローンが残っている800万円程で設定し、妹さんが新たにローンを組んで貴方に支払われることになる金額で、それを一括返済してしまえば、御質問で示されたような複雑なことをしなくても良い気が致します。仮に御質問で仰られたように、相続税評価額の1,100万円で売買されることを前提にして、妹さんがローンを組める900万円を超える部分の200万円について、貴方が受け取ったことにするなら、御構想を実行に移す必要は無く、妹さんから契約に定める全額の売買代金を受領したということで、三河さんとすれば、その流れにより譲渡所得の申告をされれば良いと考える次第です。 御質問の②と表裏一体の関係を有する先程申し上げた貴方の譲渡所得は、下記の算式によって計算します。 売却価額 ー 原価(購入代価 - 建物分の減価償却費相当額) 前述の800万円で譲渡されれば、もちろん三河さんに譲渡所得税の負担も課税されないのですが、質問②で仰られた時価と譲渡価額の差額に関して、厳格に法律を適用しようとすれば、御指摘のように妹さんに対する贈与ということになってしまうかと思われます。そこで前述のように売買価額として800万円では安すぎるのでは?という御懸念が御有りなら上記算式中原価として表される購入時の代価から過年度分の建物に関する減価償却費相当額を控除した金額を、そのまま売買の価額にされたら如何ですか?仮にそれが相続税評価額の1,100万円に収まるのであれば、ローンの組入可能額を超える大よそ200万円の売買代金の一部については、まわりくどい事を考えないで三河さんが妹さんに対して免除してあげる、すなわち贈与されるということにしたら如何でしょうか?なお、それに当たっての贈与税額は以下のようにして計算します。 (200万円-110万円)×10% = 9万円 諸条件の変動により、考慮しなければいけない事も生じるため、また御必要があれば、再度御質問して見て下さい。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/相続税・贈与税/No1137 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。