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No.1963 | 法人の不動産の交換について |
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お名前:ひろ | カテゴリー:会計・経理 知恵袋 | 質問日:2014年9月13日 |
こんにちは。 法人所有の不動産(分譲マンションの一室)の交換についてお尋ねします。 弊社所有の分譲マンションの一室(現在、社長が住んでおります)を、隣人Aさん(個人所有)と部屋を交換しようと(社長が)話を進めているそうです。(理由は交換した方が互いに都合が良いから)。 経理を担当しているので不動産を交換する場合のことを調べてみると国税庁のHP内に「土地建物の交換をしたときの特例」というページを見つけたので読んではみたのですが、圧縮記帳?圧縮限度額?イマイチよく分かりません。因みに圧縮記帳の対象となる交換の条件には当てはまっていることは分かります。 そこでお尋ねしたいのが ①マンション購入が同時期の場合、法人である弊社の方が減価償却の耐用年数が短いので、交換差金をAさんに払うことになると思うのですが、この見解で合っていますでしょうか。 ②弊社、Aさんともに不動産取得税、印紙税、Aさんは交換差金に対する譲渡所得税を払わなければならないと思うのですがこの見解で合っていますでしょうか。 ③交換は時価で行わなければならないのでしょうか。 ④マンション取得時に比べ、土地の価格が大きく下がっているので帳簿価格よりも大きく時価が下がっているのですが、この場合でも圧縮記帳をするのでしょうか。 ⑤圧縮記帳は、あくまで「課税の繰り延べ」とあるのですがどういう意味なのでしょうか。 ⑥交換することが決まったときはどういう仕訳をすればよいのでしょうか。 お手数おかけしますが宜しくお願いいたします。 |
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No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2014年9月15日 | |
ひろさん、こんにちは。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。 珍しいタイプの交換を為される御予定なのですね!同じマンションの隣接している部屋同士の御互いの所有物件を取り換えるのでいらっしゃれば、それらの間取り等が同じであられるなら、余程特別なことが無い限り、時価もほぼ同一と考えられるため、原則として交換差金の授受は、発生致しません。ここで一連の御質問に対し、分かり易く御説明させて頂くために、具体的な数字を使ってみたいと思います。御社とAさんが10年前にそれぞれ前記マンションを敷地部分2,000万円、建物の価格1,000万円の合わせて3,000万円で購入し、現況の時価が同敷地1,000万円、建物850万円の合計1,850万円であると設定致します。 そしてまず御質問の①についてですが、御社とAさんのそれぞれが既存の資産を手放し、新たに時価1,500万円の資産を共通に取得していらっしゃるので、前言と重複致しますが、敢えて交換差金を御考慮される必要はありません。貴方の言われる如く各々で従前の減価償却費の累計額が異なるため、譲渡原価が相違することに伴い、両者の譲渡損益の数値が変わってくるのです。 それでは、先程の数値を用いて具体的に計算して見ましょう。 (1)御社の場合のマンション建物に関する減価償却相当額 定額法により耐用年数を47年で計算。 過年度分償却累計額 1,000万円×0.9×0.022×10年 = 1,980,000円 譲渡益 850万円 - (1,000万円 - 1,980,000円 = 8,020,000円) = 480,000円 (2)Aさんの場合 居住用で使用していらっしゃるものとして、耐用年数は47年×1.5倍=70年で計算。 過年度分償却累計額 1,000万円×0.9×0.015×10年 = 1,350,000円 譲渡損 (1,000万円 - 1,350,000円=8,650,000円)- 850万円 = 15万円 要するに形として各々が所有する建物を交換という取引形態を通し、結果的に850万円で売却したことに対する双方の譲渡に際しての損益の数字は違う値となりますが、それはあくまでもそれぞれ個々の税務申告その他に付随する内部的な問題です。 回答させて頂く順番が前後いたしますが、質問③に関し、今回のような交換に限らず不動産物件の売却に当たっては、その譲渡価額は当然に時価で御認識されるべきであり、それゆえ建物はさておいて、実際に土地の評価額が大幅に取得時より下がっていらっしゃるなら、御腹案の計画の御実行の暁には、その実際の交換時において全体としては売却損の発生が予想されるため、それゆえヒロさんの会社もAさんも、それぞれが法人ないし個人の所得が増加することには至りません。 次に質問④、⑤が絡む圧縮記帳について、それはそもそも交換の際の譲渡益が発生した後に、最大限その金額の範囲内で取得した資産の帳簿価額を減額すべく、圧縮損を建てることで、当面の税負担を軽減するものであり、此の度のケースのように損失の計上が想定され得るものであれば、圧縮記帳等の特例を用いる必要は一切無いのです。 最後に質問⑥に関し、先述の設定に基づく御社の仕訳は次のようになりましょう。 (借方)(土地) 10,000,000 (貸方)(土地) 20,000,000 (土地売却損) 10,000,000 (借方)(建物) 8,500,000 (貸方)(建物) 8,020,000 (建物売却益) 480,000 上記の仕訳を結合すると、トータルで9,520,000円の損失となるため、一連の圧縮記帳の制度の適用対象にはならず、と申しますか活用するまでも無く、ゆえに御社におかれましては交換契約に沿い、粛々と経理処理を行って頂ければ宜しいと考える次第です。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
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