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借入金の資本金振替
No.1289

借入金の資本金振替

お名前:太郎 カテゴリー:法人税 知恵袋 質問日:2013年3月17日
自動車部品製造の零細法人の社長をしています。
銀行借入金が3000万円ほどあり、順調に返済を続けていますが、これ以外に社長である私からの資金の貸付金(会社にとっては役員借入金)が1000万円ほどあります。新規の設備投資が必要となり、銀行から借入が必要となりました。知人の話によると、役員借入金を資本金に振替えると、負債が減り、自己資本が増えて銀行の評価が上がり、銀行から借入しやすくなるという話を聞きました。そんなことができるのでしょうか?税務上の問題はないのでしょうか?



No.1 回答者:西山元章 税理士 回答日:2013年3月17日
 太朗さん 公認会計士・税理士の西山元章と申します。
 よろしくお願いいたします。

 お答えとしたは、おおむねYESですね。
 すなわち、役員からの借入金を会社に現物出資することにより、借入金は減る一方で資本金は増加しますので、株主資本比率が高くなります。
 金融機関の融資の判定基準に、株主資本比率の項目があるので、結果として、株主資本比率が低いよりは高いほうが、融資に有利になるということです。
 尤も、だからといって融資が出るわけではありません。
 十分条件ではないということです。

 また、資本金が多くなることにより均等割りが増加することや、借入金の評価等の検討事項もありますので、借入金の資本金組み入れに際しては慎重に検討してください。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所
この回答は  (役にたった/1件)

No.2 回答者:小林慶久 税理士 回答日:2013年3月17日
 太郎さん、御初に御目に掛かります。
 私、花の都大東京生まれの千葉県育ち、姓は「小林」名は「慶久」と綴り、「こばやしよしひさ」と発します。あの「寅さん」の映画で一躍有名になった東京は葛飾柴又より、ものの一里程江戸川を下り、橋を介し筋向いに対座する千葉県市川にて税理士を生業(なりわい)と致しております。市井(しせい)の皆々様のために、私こと胸に期するものがありまして、この場に罷り出でたる次第で御座んす。貴殿の御発問の由(よし)に応ずべく、其の御答えの儀、我以下に認(したた)め、御身に献上奉り候。
 太郎さんの御質問の役員借入金を資本金に振替えることは、事業再生の手法として用いられる一般的にはDES(デット・エクイティ・スワップ)と呼ばれるもので、債務が資本に転換することにより、確かに自己資本比率の改善には繋がりますが、御社のような個人企業をその対象とした場合、果たして融資の申請に際して御期待されるようなドラスティックな効果が齎(もたら)されるかどうか、その実施に関しては借入を御申し込みされる予定でおられる銀行等の金融機関の担当の方と良く良く相談為(な)されてから遂行して頂ければと思います。これに付き差し当たっての税務上の問題はそれほど無く、強いて申し上げるなら此の度の御計画により、太郎さんからすると貸付金を現物出資することにより御自身の経営される法人の増資を意図することに付随し、御社の資本金が1,000万円を超えてしまうような事態に伴い、法人住民税の均等割の負担の増大に繋がる可能性もある事等がデメリットとして挙げられます。ゆくゆくの問題としては、太郎さんの所有されていらっしゃる株式が増えることにより、後々会社にそれなりの留保が生じたとすると、御社に対する債権として保有している場合に比し、相続税の課税の基となる財産の評価額が多くなる見込も想定され得るため、念のため頭に入れておいて下さい。
 仮に件の構想を御実行に移されるとしたら、通常は貴方への借入金の額がそのまま現物出資により資本金に転換されるような処理を為(な)されれば宜しいのですが、平成18年の会社法改正により太郎さんの御社に対する債権の実状に即した回収可能額を適正に見積もり、実質的に資本金に振替えることも可能であるため、帳簿上計上されている貴方からの役員借入金を全額消滅させる代償として、それより低い金額で増資がされるような形態に持っていくことも出来ます。そうした場合には、その差額について税務上は債務免除益として収入の如く太郎さんの会社の益金に計上しなければいけないのですが、御社の税務申告に付き過年度より繰り越されている赤字分としての繰越欠損金が同額程度に計上されているようなケースに際しては、両者を相殺させることにより納税の負担も生じず、合わせて財務状況の改善を図れることにもなるのです。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所
この回答は  (役にたった/4件)



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