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みなし役員と退職慰労金について
No.1512

みなし役員と退職慰労金について

お名前:名ばかり重役 カテゴリー:法人税 知恵袋 質問日:2013年10月24日
当社株式を5.2%所有する取締役に一旦退任してもらい、引き続き顧問として経営に関与してもらうことにしました。
この場合、役員の退職慰労金を損金算入することが可能でしょうか。
また、顧問としての報酬は役員報酬以外の科目では扱えないのでしょうか。



No.1 回答者:小林慶久 税理士 回答日:2013年10月25日
名ばかり重役さん、税理士の小林慶久です。御初に御目に掛かります。
 国会審議中の最中(さなか)、先日私は税理士会の関連の行事で参議院会館を訪れました。昨今の政党を巡る政治的駆引きに関し、小党乱立の様相を憂える今日この頃ではありますが、私と致しましては、名ばかり重役さん他このサイトに質問を寄せてくれる皆様方のために、しっかり正答を導いて行きたいと意を固める次第です。
 さて此の度の御質問の最初の趣旨は、従来は常勤の取締役でいらっしゃった方が改めて顧問に就任された際に、役員退職慰労金を払われることについての税法的妥当性に関してですね?
 今回の税務上の判断の指針となる法人税基本通達9-2-32におきまして、「法人が役員の分掌変更等に際し、その役員に退職給与として支給した給与については、その役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められる場合には、その処理を是認する」旨が明記されております。それに合致する具体的事情の一つとして、同通達の(1)では「常勤役員が非常勤役員になったこと」が記載され、今回のケースはおそらくこれに該当するのではと推察致します。なお上述の通達もその対象となる役員がいわゆるオーナーでいらっしゃると、実質的な経営権は掌握しているだろうという推定の下に、その処理を否認される場合もありますが、貴方が仰るように単独で全株式の5.2%の株式のみを御持ちの方であられるならば、それに抵触する恐れもないでしょう。
 ゆえに当該役員の職務内容が明らかに変動したことに関し、外部の方々に立証出来るような根拠書類と、それに伴い一般的な場合を想定するのであれば、彼(か)の方への報酬の額が従来に比して確実に減少していらっしゃるのであれば、それに際して退職金を支払うことの正当性は付与されるのが、税法の定めるところであると御理解下さい。逆を申し上げるなら、実際の業務の内容はほぼ以前と変わらないのに、本件退職金を支給したいがためのみに体裁を取り繕ったという税務当局の審判が下ると、否認の憂き目を見ることになるのです。貴方が記述されておられるように取締役を御退任されるなら、登記上についても辞任の手続をとられ、外部的にも公示の上、その流れに沿って退職金を支払われるようにされれば良いのではないですか?
 ちなみに「みなし役員」「一旦退任」などという言葉を無防備に使われると、「退職金を支払った後には間を置かず、元の仕事に戻ろうとしているでのは?」というあらぬ疑いを招くおそれがあります。みなし役員が非常勤の顧問に置き換わり、一旦が省かれて、現実がそれに追随するのであれば、税務上の問題は発生しないでしょう。
 そして件の役員の方に支払う報酬の会計処理に関してですが、前述の如く登記からも外れるのであれば、役員報酬としての名目で御支払いするのは、かえって実態に即していないということになります。普通の従業員の方と同じ様に、「給料」でも良いし、はたまた「顧問料」ないし「嘱託料」その他の名称で構わないのですが、消費税が課されるようなコンサルタント契約料等とははっきり一線を画し、受給される方が給与収入として申告出来る形を整えられれば宜しいのではないでしょうか?
 

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所
この回答は  (役にたった/2件)

No.2 回答者:大西信彦 税理士 回答日:2013年10月29日
お尋ねの件です。
その取締役の方が実際に退任して役員で亡くなったのであれば税法上、その退職慰労金は何ら問題なく損金の額に算入できます。
ただ、税法上、みなし役員と認定された場合にはその地位を退いたときに損金算入します。
このみなし役員には顧問等であっても、法人内における地位、その行う職務等から見て他の役員と同様に実質的に経営に従事しているとも認められるものも含まれます。
そのため、その退任される役員の方には、顧問となってからは役員会に出席してもらったりすることや、議事録に経営方針の決定に大きく関与されたような記述を残すといったようなことは控えたほうがよいでしょう。
顧問としての報酬は、顧問料、支払手数料等として計上し、ご本人の事業所得として申告してもらうというやり方がありますのでご参考願います。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 大阪府大阪市北区の大西公認会計士事務所
この回答は  (役にたった/1件)



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