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No.1792 | 消費税の積み上げ計算について |
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お名前:山本 | カテゴリー:消費税 知恵袋 | 質問日:2014年5月1日 |
先生方こんにちは。 消費税8%に伴う積み上げ計算についておうかがいします。 弊社(12月決算、課税売上割合99%以上)の会計は・・・ 現金105 売上 100 仮受消費税 5 というように、1仕訳単位で消費税額と本体価格に区分し、消費税額を積み上げて計算しています。 私が担当してから前期までは期中全て消費税5%だったので・・・ ◇課税標準額 ※以下、売上等の数字はすべて仮です。 (売上55,000,000(税抜)+仮受消費税2,700,000+雑収15,000(税抜))×100/105=54966666→54,966,000・・・付表2 ①へ記入 ◇消費税 54,966,000×4%=2,198,640 ◇仕入税額控除 仮払消費税1,800,000-中間納付分400,000=1,400,000 1,400,000×80%=1,120,000 1,120,000×105/4=29,400,000・・・付表2 ⑧へ記入 ◇差引税額 2,198,640-1,120,000=1,078,640 ◇納付税額 国 :1,078,640-中間納付分350,000=728,640 地方:(1,078,640×25%)-中間納付分50,000=219,660 計 948,300 以上の様な、前担当者の計算方法そのままで税額を算出していたのですが、期中で税率が変わる今期はどのように計算すればよいのでしょうか。 また、4月1日以降の税率の入力は勿論ですが、税率変更に伴う日々の仕訳の入力等での注意事項はございますでしょうか。 ご面倒をおかけしますが宜しくお願いいたします。 |
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No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2014年5月3日 | |
山本さん、こんにちは。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。 まず初めにこれから貴方の会社の今事業年度の消費税の申告計算に臨まれるのに際し、その原理を示しますと以下のようになりましょう。 (課税売上に対して5%が賦課された消費税額 + 同8%が付された同税額) - (課税仕入に含まれる5%が賦課された消費税額 + 同8%が課された同税の額) - 中間申告分の税額 前年までの様式と異なり従来には存在しなかった、上記算式に沿った税率の異なる取引ごとの内訳について、明記された付表を添付することが義務付けられます。ここで課税売上その他に対し、山本さんが設例で使われた数字を基に、必要な部分を月数按分致しまして、具体的な試算を行って見ましょう。 売上と雑収入を合わせた課税売上の金額が合計で年間70,000,000円だとすると、概ねそれぞれ~平成26年3月31日までの3ヶ月間に帰属する分と、同4月1日以降の9ヶ月に係る部分の消費税の金額は下記のようになる筈です。 ①3ヶ月間分の課税売上(税率は5%・国税分は4%)の税額計算 70,000,000円 × 3ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 4% = 700,000円 ②9ヶ月間分の課税売上(税率は8%・国税分は6.3%)の税額計算 70,000,000円 × 9ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 6.3% = 3,307,500円 次に控除対象仕入税額の算定についてですが、これにつきまして山本さんは誤って、解釈しておられる節が見受けられるのですが、例示の計算みたいに中間納付の金額を仮払消費税から減額してしまわれると、次の段階での差引税額の適正な算出が叶わず、もちろん正しい金額が付表に転記されません。それゆえ中間納付額に関しては、最終的な納税額の計算をされる時点で御考慮して下さい。ここで設例の金額をベースに、年間のトータルの仮払消費税として計上される額を261万円と仮定し、上記の様に適用税率の相違する期間を区切って、正確に元々の課税仕入の価額を認識しようと試みると、斯様の如くなりましょう。 ③3ヶ月間の課税仕入の計算 261万円 × 3ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 105/4 = 17,128,125円 ④9ヶ月間の課税仕入の計算 261万円 × 9ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 108/6.3 = 33,557,142円 ⑤∴差引税額は(① + ②) - (X・2,610,000円×3ヶ月÷12ヶ月×4/5 + Y・2,610,000円×9ヶ月÷12ヶ月×6.3/8 = 1,943,969円 ちなみに後程の計算で活用するため、上述の算式に付記した如き、3ヶ月間の課税仕入に付随する消費税の国税相当分をX、同9ヶ月分をYと致します。 ⑥最終的な納付税額の計算に当たり、中間納付額に付き貴方が用いられた金額をそのまま使い、その計算式を以下に御示しさせて頂きたいと考える次第です。 国 1,943,969円 - 中間申告額(35万円) = 1,593,969円 地方 (① - X)× 25% + (② - Y)× 1.7/6.3 - 中間申告額(5万円) = 471,031円 計 2,065,000円 最後に留意点ですが、実のところ私もまだ税率が変更されて以降の消費税の申告書は作成しておりません。ただ本年のように税率の変更が為された場合におきましては、前任の方が採られていたやり方やコンピューターの計算をそのまま鵜呑みにしないで、「なぜこの値が導かれるのか?」という命題につきまして、私がこれまでに申し上げた件の税額が決定するまでの計算の仕組みに係る根幹のメカニズムを、確(しか)と山本さんの頭の中で御理解して頂くようなことが大切になろうかと思います。 さらに付け加えるならば、おそらく御社の経理システムにおかれましては、この4月1日以降の仕訳入力時の税抜処理に際し、自動的に新税率が適用されることになっていらっしゃるのであろうと推察致しますが、今年3月以前の期間に対応する取引、例えば2月に計上されるべきであった売上の発生を、4月に計上為(な)さるような場合に関しまして、個別の仕訳の入力の際に税率の修正を行う等の処置が必要となるでしょう。また具体的な消費税絡みの業務に当たって、疑問な点が発生致しましたならば、再度御質問されて見て下さい。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
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『https://www.zeitan.net/chiebukuro/消費税/No1792 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。