トップページ > 知恵袋 > 所得税 > マイホームの買換/3000万の特別控除
堀内勤志 税理士
東京都 |
|
小林慶久 税理士
千葉県 |
|
---|---|
大西信彦 税理士
大阪府 |
|
國村武弘 税理士
東京都 |
|
川崎晴一郎 税理士
東京都 |
|
小川雄之 税理士
大阪府 |
|
小西巌 税理士
東京都 |
|
奥田慎介 税理士
東京都 |
|
森田寛子 税理士
大阪府 |
|
松島一秋 税理士
愛知県 |
No.1001 | マイホームの買換/3000万の特別控除 |
|
お名前:E. | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2012年6月11日 |
はじめまして。不動産(マイホーム)の譲渡所得のことでご相談させてください。 平成22年に母が自宅を売却し、確定申告をしました。実際には、その前年に新しく居住用の不動産を購入しており、マイホームの買換となります。当然そのつもりで確定申告の相談に行ったところ、対応してくださった方に、「それだと揃える書類も多くなる。3000万円の特別控除の特例を使っても所得税はかからないから」と言われ、勧められるがまま、3000万円の特別控除の特例で申請してしまったそうです。 確かに所得税はかかりませんでしたが、翌年介護保険料が最高額となってしまい、また今になって、母の所得が、扶養の範疇に入らないのでは?という指摘を受けています。(母は私の扶養に入っています。不動産の譲渡所得がなければ、扶養の要件を満たしています。) 実際には買換によって赤字になってしまっている中、3000万の特別控除の特例で申告してしまったために、更に不要な出費がかさんでいます。 当時の不勉強を反省しつつ、マイホームの買換として正しく申告し直したいと考えておりますが、調べたところ更生の請求の期限を過ぎてしまっているようです。 もし、何らかの手立てがあるようでしたら、是非お知恵を拝借できれば幸いです。よろしくお願いいたします。 |
---|
No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2012年6月12日 | |
Eさん、はじめまして。税理士の小林慶久と申します。宜しく御願いします。 まず一つづつ問題となる事項を整理して行きましょう。伺った限りの状況では、貴方の御母様は、平成22年に御自宅を売却されて、同年の確定申告の際に居住用財産の特別控除を用いられ、所得税及び住民税の負担はゼロになったけど、おそらく翌年平成23年分の介護保険料を含めた国民健康保険料の負担が最高限度額の60万円程度になってしまったということですね。所得税と住民税の課税所得の計算においては、先の特別控除額を減算した後の0円が譲渡所得として算定されるのですが、国民健康保険の課税対象となる所得は特別控除を適用する前の、すなわちそれを度外視した譲渡所得が計算の基になるため、要は課税の基準が異なるのです。ゆえに少なくとも税務上においてEさんが御質問で仰られるように御母様が臨時に発生した譲渡収入以外のその他の収入の面で扶養の要件を満たしていらっしゃるのであれば、その判定につき平成22年も含めて変更の生じることはありません。 そして更正の請求の手続それ自体は、Eさんが何を調べられたのかは分かりませんが、昨年末の国税通則法の改正により大雑把に申し上げると、従来の書類の提出日より1年前までに申告期限が到来した年度分から概ね5年前までその対象となる期間が拡大したので、少なくとも一般の事例に関しては現在の時点において平成22年分も更正の請求の効果の及ぶ期間になります。しかし今回のケースに関し、租税特別措置法第41条の5に定められる要件により、いったん平成22年分の確定申告書を御母様が提出されているため、改めて同法に規定するマイホームの買替えによる譲渡損失を他の所得との損益通算や繰越を可能にするべく申請することは更正の請求の手続では出来ません。理論上、特別控除を受ける前の譲渡所得に原価の漏れがあったということを訂正することは出来るような気もするのですが、結局のところ所得税額はゼロで変動しないため、民事裁判における訴えの利益のようなものが認められず、そうした訴求も現実の手続においては同手続の対象から外されてしまうのです。 特別控除を適用されて申告されたことにより、その弊害だと考えられる前述の国民健康保険以外の不要な出費というのが、私には良く分からず、おそらく医療費関連のことだとは推察するのですが、それはさておき問題が負担の重くなってしまった国民健康保険料に限定したことであれば、住んでおられる市町村の住民税課に足を運ばれて、事情を御話しの上、平成22年分の所得がその基準となる平成23年度に課された住民税に関する申告の訂正をされたら如何ですか?Eさんの御母様としては、住民税の申告をされた意識は無いかもしれませんが、制度上平成22年分の確定申告書を御提出された直接の窓口である税務署を経由して、そのデーターが自動的に各々の申告者の住所のある市町村に送付されるようなシステムになっているのです。先程申し上げた譲渡原価等の計上漏れを事由とする申告の訂正に関しての主張が通れば、結果的に過大となる国民健康保険料は還付に至ると思われます。ちなみに住民税の訂正に関する手続も先程申し上げた国税に関する更正の請求の制度の改正以前より大概5年前程度までは遡及出来るようになっているはずです。 念のため確認させて頂きますが、Eさんは買い替えによる自宅の売却について赤字が発生していらっしゃると仰っていますが、譲渡損は、正確には御自宅の売価-(御自宅の原価-減価償却費+譲渡経費)によって計算するのですが、ごく一般の人は原価から建物分の減価償却費を差引くのを忘れてしまいがちです。御母様の場合も減価償却費を考慮に入れれば、もしかすると赤字にはならないのかもしれませんが、当初申告の際に上限3,000万円の特別控除を適用する前の住民税の計算における譲渡所得の金額が少しでも圧縮されれば、その影響により国民健康保険料が呼応して還付されることになると考える次第です。 最後に繰り返すようですが、譲渡原価等を計上せず特別控除により譲渡所得を申告したことに対する上述の国民健康保険以外のデメリットと見做されるEさんの仰られた不要な出費というのがどんなものであり、一体どのくらいの負担なのか正直、私にはそれを確実に推測することが出来ないので、もしよろしかったらそれを可能な限り明示された上で、再度質問して見て下さい。何か手助けになることを申し上げることが出来るかもしれません。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
|||
---|---|---|---|
回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
No.2 | 回答者:八木俊助 税理士 | 回答日:2012年6月12日 | |
E.さん、はじめまして。東京都品川区の税理士の八木俊助です。 まず、母様の自宅の売却が損失であるということを根拠書類(購入当時の契約書など) の上で説明できるかどうか確認してみましょう。 それができるのであれば、更正の請求の期限は経過してますが、ほぼ同様の制度である「更正の申出」が行えます。 (国税庁)更正の申出 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/kosei_proposal/tetsuzuki/01.htm この手続きを経て、損失が認められれば、介護保険の減額及び扶養に入ることは、できるようになります。 但し、居住用財産の繰越控除を更正で行えるかどうかは、私見では難しいと思います。 とはいえ、事情が特殊なため、申告をやりなおす際、念のためこの点も税務署に確認をし、 更正の申出をされるとよろしいかと思います。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
|||
---|---|---|---|
回答者 | 東京都品川区の税理士法人新日本東京事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/所得税/No1001 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。