トップページ > 知恵袋 > 会計・経理 > 自家建設はなんですか
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No.1572 | 自家建設はなんですか |
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お名前:新人経理 | カテゴリー:会計・経理 知恵袋 | 質問日:2013年11月18日 |
当社は製造業であり、今年新しい子会社を設立して、新工場も建設する予定があります。新工場に対し、工場予算30億のうち、銀行からのローン20億を調達しました。銀行ローンのうち、5億は海外購入する設備に利用しますが、残る15億は新工場の建設に利用します。新工場の土地は親会社から借りた土地で、建物とその他の付属物は親会社であるわが社が設計して、外部の建築会社に外注して、建設してもらいます。工事の進捗管理は子会社の従業員が担当します。 日本基準では、自家建設の場合、利息費用を資産化できます。 設備購入部分に関する5億円に対する利息費用が資産化できませんが、工場建設部分の利息は資産化できますか? 自家建設の具体的の範囲はなんですか? よろしくお願いします。 |
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No.1 | 回答者:大西信彦 税理士 | 回答日:2013年11月18日 | |
お尋ねの件です。 日本基準では自家建設の固定資産の取得原価に借入金の利息を算入することができます。 この点、借入金の利息を原則、算入するというIFRSと異なります。 借入金の利息を固定資産の取得原価に算入する要件は ・借入資金が当該建設のためにのみ用いられたのが明らかなこと ・建設工事完成前の期間に対応する利息であること です。 お尋ねの工場建設部分の利息がこの要件を満たすのであれば利息を取得原価に算入できましょう。 利息を取得原価に算入するのは一つには、多額で、ある程度完成まで期間がかかる工事に伴う利息を稼働後の収益に対応させようという趣旨で行われるものですから、自家建設の範囲は、建物や機械設備等、完成まで時間がかかり、金額的にも多額であるものに限定して解すべきと考えます。 以上、ご参考願います。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の大西公認会計士事務所 | ||
No.2 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2013年11月19日 | |
新人経理さん、税理士の小林慶久です。確か先日も御質問されましたね?引き続き、宜しく御願いします。 一連の御構想に関して新しく設立される御予定の子会社からすると、親会社が設計され外部の建設会社が建築を請け負われるということで、子会社さん独自で建てられるわけではないので、自家建設には該当しないと思われます。ただそれに伴う資金調達に関しての金融機関への利息で工場の稼働前の期間に属するものは、海外からの設備購入に充てる5億円の借入に対する金利と合わせ、開業準備費の名目で繰延資産としての計上が可能であると思われます。上場会社等に適用される証券取引法におきましては、資産性の乏しいものを資産として計上してしまうことに対する粉飾決算のモラルを問われるといった問題が発生するのかもしれないのですが、こと税務に関してはなるべく貴方が仰られるような「資産化」をせずに早期に損金経理してしまった方が、一般的に納税の負担は軽くなるのです。よって税額の軽減を意図し、大半の中小事業者の方は支出に際し、資産として計上するのを避け、可能な限り損金処理すべく費用として計上することを御考えになられるのですが、ゆえにそうした傾向とは相反するかのように、先述の開業準備費の計上対象を拡大し、工場の稼働直後数カ月の運転資金をそれに含めて資産に算入することも可能は可能です。 御参考までに自家建設というのは、此の度新人経理さんがおそらく在籍しておられる親会社さんが工事を発注される建築会社さんのような法人さんが、御自分のところで例えば自社ビルを建てられる場合がそれに該当するのです。そのような際の建物の原価は、直接要した材料費、その建設に対応すると思しき給料等の人件費と一般管理費ということになろうかと思います。従って建物の取得原価に含めるか、はたまた通常の経費で損金計上するかのその経理処理の裁量は、他者に建ててもらう場合に比して大きいと言えます。 ちなみに本件工事の施工に伴い貴方も所属される親会社さんで為(な)される設計その他に付き、合理的な理由が無くこれから新規設立を迎えられ、工場の建設を発注為(な)さる子会社さんからの対価が設定されなかったりすると、厳密な税法の理論上は親会社から子会社への寄付金と認定される危険性もあるため、御留意されたし。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/会計・経理/No1572 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。