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逓増定期保険の法人から役員への名義変更に際するリスクについて
No.515

逓増定期保険の法人から役員への名義変更に際するリスクについて

お名前:カンタロウ カテゴリー:所得税 知恵袋 質問日:2010年10月5日
保険屋さんから面白い節税アドバイスを受けました。
その件についてのご相談を失礼いたします。

【提案内容】

下記のような逓増定期保険で、3年目まで会社が払い込みを行い、低解約返戻率の時(3年目)に役員へ解約返戻金相当額で譲渡し、4年目役員による払い込み時に保険を解約すれば、


①会社は、3年間の総額として「払込総額-役員譲渡価額」を損金経理できる

②役員は払込総額の95%の返戻金受取ることができる(しかも所得税がかからない)


年 数  解約返戻率

1年目    0%
2年目    5%
3年目   20%
4年目   95%


上記について、実際そうであればかなりいい話なのですが、

①は理解できるのですが、②が理解できません。

4年目の解約返戻金-(4年目払込価額+法人からの譲り受け価額)

が一時所得となり、所得税が課税されるのではないでしょうか。


保険屋は「それは大丈夫です判例で?保険契約の主体が誰であっても、払込保険総額より解約返戻金が少ない場合、個人に課税されないのです」?的なことを言っておりましたが、かなり不安な次第です。

お忙しい中恐縮ですが、アドバイスいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。




No.1 回答者:石井山正輝 税理士 回答日:2010年10月6日
 保険屋さんが言うように中途解約した場合には、払込保険料総額より解約返戻金が少ない場合は個人に一時所得として課税されません。 平成21年7月29日の福岡高等裁判所の判決事例です。ただし、現在最高裁に上告受理申し立て中ですので、最終的な確定は最高裁の判決を待たなければなりません。従って、税務調査で、上記事例が把握された場合は、更正決定されるでしょう。
 福岡高裁の判決は、所得者本人が負担した部分には限らないとし、法人が負担した部分も一時所得の控除の対象となると判決しました。(所得税基本通達34-4)
 当初、法人が契約者となり、保険料を支払っていたが、途中で、契約者を法人の代表者に変更することは、保険契約(権利)の譲渡になるので、その譲渡時の代表者への譲渡価額は解約返戻金となりますので3年目の解約返戻率20%で計算します。そして、代表者に契約者を変更した後の4年目に解約した場合の解約返戻金が95%ですので、解約返戻金から法人で支払った3年分の保険料の合計金額と代表者が支払った1年分の保険料総額を差し引くと赤字となり、個人の課税所得は発生しません。
 一見損のように感じますが、法人で支払った3年分の保険料の大部分が、代表者に解約返戻金として支払われるため、税金を支払わなくても法人で支払った保険料を個人に無税で移転させることができ、個人にとっては、大きなメリットがあります。しかし、税務当局の最近の対応では、節税方法を法改正で無くすようにしていますので、近い将来、改正される可能性が高いと思いまっすのでお勧めできるものではありません。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 広島県廿日市市の石井山正輝税理士事務所
この回答は  (役にたった/33件)

No.2 回答者:松島一秋 税理士 回答日:2010年10月6日
  現在の税法のみを解釈していけば、上記の先生のとおりになろうかと思います。
 私からは、別の観点で老婆心ながら申し上げておきます。
 そもそも法人の資産(保険料掛け金相当額)を減らして、役員に解約返戻金を移そうとなされているのでしょうかね。(役員に所得税等を課税されずに資産を増やしたい?)
 その狙いとする事情にもよるかと思いますが、健全な会社経営をなされているのであれば、敢えて税法の盲点を突いたようなやり方には疑問が残ります。
 やがて、会社の税務調査もあろうかと思いますが利益追求団体である会社がその経営上必要性もないことをしてまで、税務調査の際にいらぬ細かい点まで調査を受けるようなことにでもなれば如何なものなのでしょうか。
 そのあたりも考慮されてプランニングされたほうがよろしいかと思います。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 愛知県瀬戸市の松島一秋税理士事務所
この回答は  (役にたった/30件)



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