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使用人兼務役員の未成工事支出金について
No.1925

使用人兼務役員の未成工事支出金について

お名前:ゆうこ カテゴリー:法人税 知恵袋 質問日:2014年8月19日
こんにちは。
お手数おかけしますが宜しくお願いいたします。

当方、法人で建設会社です。

昨年、税務調査があり、社長の実弟で取締役(登記しています)の役員報酬から未成工事支出金が計上されていないとの指摘がありました。
理由は、一般社員と同じように現場に出て同じ様に働いている、取締役会等で専務等、職制上の地位を有する役員になっていない為、使用人兼務役員に該当するからとのことでした。

早速、取締役会を開き、実弟を専務にしたので今期は代表取締役・専務取締役以外の賃金から未成工事支出金を計上したのでよいと思うのですが間違いないでしょうか。

また、実弟を専務取締役にしていない場合、役員報酬は定期同額の為、実弟の報酬を賃金(工事原価)に振り替え、未成工事支出金を計上しなければならないのでしょうか。

ご指導よろしくお願いいたします。




No.1 回答者:大西信彦 税理士 回答日:2014年8月20日
お尋ねの件です。
税務上、役員が使用人兼務役員として認定されれば、その者に対する給与は原則、従業員部分と役員部分に分けることになります。
使用人兼務役員とは、部長や課長等職制上の地位を有し、かつ常時使用人としての職務に従事している役員です。職制上の地位を定めていなくても、常時従事している職務が他の使用人の職務と同じであると認定されれば、使用人兼務役員とされることがあります。
使用人兼務役員であるとされた場合には、従業員部分の給料は、他の従業員に対して支払う給料と同様、工事会計の原則に従い、未完成部分に対応する部分は未成工事支出金勘定に計上します。
ただ、役員で代表取締役や専務は使用人兼務役員になれません。
その者に対する給与は、役員給与がすべてですので、未成工事支出金勘定に振り替える等の処理は不要で、すべて販管費に計上すればいいです。
しかし、税務上は、定期同額給与等の要件を満たさないと、これは損金の額に算入されません。
以上、ご参考願います。


注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 大阪府大阪市北区の大西公認会計士事務所
この回答は  (役にたった/0件)

No.2 回答者:小林慶久 税理士 回答日:2014年8月20日
ゆうこさん、こんばんは。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。
 そもそも渦中の使用人兼務役員という法人税法上の制度については、他の従業員さんと同じ様に働いていらっしゃる代表取締役以外の役員の方を対象として、支給されるのが定額給与だけに限定してしまうと、典型的な例では、損金算入の範囲でボーナスを受給することが基本的に不可能になる等のデメリットを和らげるべく、納税者のために設けらているのです。
 ゆえに御社が代表者の弟さんに対する役員報酬の支払に関し、あえて彼を使用人兼務役員として取扱い、使用人としての給料並びに賞与を支出為さっておられるなら、貴女が御伝えしてくれた税務署の方の御指摘も理解出来るのですが、そうではなくて純粋に役員報酬として支払った金額に為された指導だとするなら、「やり過ぎ」という印象は拭い去れません。
 ゆうこさんが仰っておられる貴社が打ち出された取締役会の決議後の方向性につきましては、専務取締役に対し法人税法施行令第71条第1項二号により、「副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員」として使用人兼務役員とされない役員に明確に明記されているため、御社の役員の方々が納得して御決めになられたことなら、それはそれで良いと思います。然(しか)れども前文の規定も、徴税する側の恣意的な審判を助けるものでは無く、元来は納税者側の権利を制限すべくものな筈。
 そこで最後の御質問に波及してくるのですが、御社の側でごく通常の役員報酬を支給したのに、それを税務当局サイドの判断の下に使用人兼務役員に対する給与だと見做し、未成工事支出金に振替えよとの指導は、私には不合理に思えます。そのような行政指導が容認されるとなると、一部上場企業のように役員と一般社員の区別が厳格でない中小企業におきましては、あちこちで一般的な役員報酬を使用人に対する給与だと認定される羽目に陥るでしょう。そこで御社と致しましても、得心されない事項に対しては、税務署の御担当の方にその旨を御主張されても良いのかもしれません。
 その際に大切なことは、ゆう子さんでも無く、代表者でいらっしゃる社長さんでもなく、彼(か)の代表の御実弟さんが御自身の判断で、自分の口で「俺は雇われではなく、歴(れっき)とした役員だ!」と窓口の人に訴える事。合わせて彼が「俺は自分の会社をこうしたいんだ!。」という経営に対するビジョン、そして同じく夢や情熱を余すところなく、「もう勘弁して下さい。」と税務署の矢面に立たれる御仁が困り果てられるくらいまで、語ってこられたら如何でしょうか?

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所
この回答は  (役にたった/2件)



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