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No.1496 | 住宅ロ-ン控除について |
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お名前:フクロウ | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2013年10月7日 |
現在、分譲マンションに住んでおり、住宅ロ-ン控除を7年間適用しています。購入当初は独身でしたので狭くても良かったのですが、結婚して子供もできましたので築10年の中古の木造一戸建(120㎡)を10月末までに住宅ロ-ンを組んで購入し、年末までに引っ越す予定です。現在住んでるマンションは売らずに賃貸する予定です。購入予定の中古住宅について、住宅ロ-ン控除の条件には合致していますので住宅ロ-ン控除が適用可能だと思いますが大丈夫でしょうか?注意点はありますか? |
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No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2013年10月8日 | |
フクロウさん、税理士の小林慶久です。一昨日行われた、フランス競馬の最高峰に君臨する凱旋門賞G1レースで我国出身としては、初制覇が期待された名馬・オルフェーブルは、残念ながら二着に終わってしまいましたが、私の紡ぐ回答が貴方の脳裏を華麗に疾駆することを願いつつ、これより筆を走らせて見たいと思います。 最初に御確認させて頂きますが、以前購入された住宅取得控除の対象となっている既存の分譲マンションを今後賃貸され、新たに中古住宅を購(あがな)われことに伴い、再度住宅取得控除を申請為(な)さることに関しての御質問ですね? (1)中古住宅物件の取得に伴い再度適用されることになる住宅取得控除について ①中古木造住宅の要件の確認 フクロウさんは、既に御存知なのかもしれないのですが、今回のケースのように耐火建築物に該当しない木造建築の場合、次の要件が課せられることになります。 (a)その取得の日以前20年以内に建築されたものであること。 (b)(a)以外の場合には、建築士等が耐震基準に適合する者として証明した「耐震基準適合証明書」又は「住宅性能評価証明書」の写しがある家屋であること。 ②入居予定年月日に関して これは一般的にということなのですが、消費税が増税されることが既に決まっている来年平成26年4月の入居ということにされた方が、それを境に住宅取得税制について拡充される税法の改正により、一層その恩恵を享受することが可能になるのです。むろん建物に賦課される消費税率の相違も考慮する必要もあるので、中古住宅の取得ということを鑑(かんが)みるなら、旧税率が適用される平成26年4月より前に入手され、実際に入居されるのは同年同月以降に為(な)さった方が税務上において有利になると推測される場合が多々想定されるのです。 前述の旨を以下に項目として示すと、 (c)住宅ローン減税の対象となる借入金の年末残高が平成26年4月より、現法の3,000万円から4,000万円に拡大します。(これはまず、フクロウさんには関係ないかもしれません。) (d)住宅ローン税額を所得税から控除し切れない場合の住民税からの控除が上記に倣って手厚くなります。具体的には、控除限度額が大きくなるのです。 現行であれば、住宅ローン減税分として算出された金額について所得税額から減算し切れない金額は、大まかに課税所得の金額の5%(最大限97,500)を限度に住民税の金額から控除されますが、平成26年4月以降に入居された方に至っては、同7%の金額(最大限136,500)円までその限度額が広がります。 例えば、現行税制において課税所得 100万円、住宅控除を適用しない前の所得税及び住民税がそれぞれ凡そ5万円、10万円だとして、年末の住宅借入金の残高が2,000万円、住宅取得控除減税額として算出された金額をその1%の20万円と設定して見ましょう。 上述のケースの場合、従来であれば20万円 - 5万円 = 15万円で表される所得税から減額し切れない部分について、100万円 × 5%= 5万円を限度に住民税から控除され、最終的な住民税の税額は 10万円 - 5万円 =5万円となるのです。 これが平成26年4月以降の改正税法の施行以後になると、同様の場合で100万円 × 7% = 70,000円が上限となるため、結果的に住民税の額は10万円 - 7万円 = 3万円まで圧縮されることになります。 (2)次に現在所有されておられる分譲マンションを賃貸するのと譲渡して処分された場合の双方について考えて見ましょう。 ①従来所有の分譲マンションを賃貸された場合 賃貸収入の発生に伴う各年度の不動産所得の計算は、下記の如く算出します。 (年額の賃貸収入の合計額) ー (固定資産税その他の実際に支出した必要経費+減価償却費) 減価償却費について以下の計算により算定された帳簿価額を基に、件のマンションが鉄筋コンクリート造だとすれば、貸し付けた日を起点に耐用年数を47年として定額法により算定します。 貸付時点の帳簿価額 = 建物部分の購入代価 - 購入日から貸付日までの居住に供していた年月分の償却費累計額 なお合法的に節税を図るべく、所定の要件を満たすことを前提に青色申告の届出を貸付開始日より3ヶ月以内に所轄の税務署に届け出られ、青色申告特別控除の10万円を適用出来る形に持って行かれた方がベターでしょう。既述の不動産所得に関しては、当然ながら給与所得と合算されて、所得税並びに住民税の課税対象となります。 ②分譲マンションを売却することを考案された場合 原則として売却価額-譲渡原価(マンションの当初の購入価額-過年度分の建物の償却費累計額+譲渡経費)によって、譲渡益あるいは損失が計上されます。 (Ⅰ)譲渡益が計上されても3,000万円までの範囲なら、租税特別措置法の適用により特別控除分相当額が譲渡所得から減額されるため、それによる所得税並びに住民税の負担は一切生じません。おそらくフクロウさんの場合には、仮に本件マンションを売られてもこの範囲には収まるでしょう。 (Ⅱ)前期の式で計算される譲渡損ないし、譲渡時の住宅借入金の残額から売却価額を差引いた金額に関して、租税特別措置法上の居住用財産の買替えの特例が適用されるため、基本的に譲渡損失におきましては給与所得と相殺及び繰越の対象となり、それゆえ所得税等の負担が軽減されます。 ゆえに貴方も御聞き及びかもしれませんが、仮に日本国債が暴落した場合等に惹き起こされるハイパーインフレーションに象徴される国家の経済状況の急激な変動に備えるべく、将来的に御負担される負債の金額を少しでも減らすべく、先述の如く税負担の殆ど生じないと推察される既存のマンションを売り渡すことにより、それに付随する債務を出来得る限り減らされることを今一度御検討されても宜しいのではないでしょうか? 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
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『https://www.zeitan.net/chiebukuro/所得税/No1496 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。