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消費税の還付
No.1894

消費税の還付

お名前:三田 カテゴリー:消費税 知恵袋 質問日:2014年7月20日
設立2期目の資本金600万円の会社です。設立1期目より事業として使うための建物を建築しており、完成は今期の予定です。引き渡しまではまだ数ヶ月あります。賃貸住宅ですので、収入はまだまだ先になりそうです。消費税について、全く考えたこともありませんでしたが、建築費分の消費税の還付を受けるには、2期目より前に届け出をしないといけないと言われました。今から還付を受けることはどうしてもできないでしょうか?もし、できるならどうしたらよろしいでしょうか?その場合、諸手続きにいくらかかるでしょうか?
教えていただけると助かります。



No.1 回答者:大西信彦 税理士 回答日:2014年7月20日
お尋ねの件です。
ご承知のように消費税に関しては、その事業年度開始の日に資本金1千万未満の会社は設立1期目、2期目は免税事業者として納税義務がないですし、還付を受けることも原則的にできません。
ただ、設備投資が多いとかで消費税の還付を受けるために、課税事業者となることができますが、そのためには、原則として課税事業者となろうとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税事業者選択届出書」を所轄税務署長に提出することが必要です。ただし、新たに事業を開始した場合には、その事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出すれば、その課税期間から課税事業者となります。
この届出書を提出した事業者は、事業廃止の場合を除き、原則として、課税選択によって納税義務者となった最初の課税期間を含めた2年間は免税事業者に戻ることはできませんので注意が必要です。
また、もう一つ注意を要するのは、課税事業者を選択した後2年以内に(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)調整対象固定資産(基本的に税抜き100万円以上の固定資産)の課税仕入れ等を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ消費税課税事業者選択不適用届出書を提出することができず、簡易課税制度を選択することもできません。
要は免税事業者が課税事業者を選択した後2年以内に調整対象固定資産の課税仕入れ等をした場合には、調整対象固定資産の課税仕入れ等をした課税期間から3年間は免税事業者になることも、簡易課税を選択することもできないということです。
お尋ねの場合には課税事業者を選択して、2期目に還付を受ける予定でしたら、その開始の日の前日までに届出することになります。
ただ、申しあげたようにいったん選択すると一定期間、その選択が強制されますし、、また、今回の場合には固定資産を取得されるということですので、慎重にできれば顧問税理士等に相談して決められることをお勧めします。
以上、ご参考願います。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 大阪府大阪市北区の大西公認会計士事務所
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No.2 回答者:石井山正輝 税理士 回答日:2014年7月20日
残念ながら、課税選択届を出していなければ、設立2期目に完成して引き渡を受けるならば、消費税の還付を還付を受けることはできません。
もし1期目に課税売上が1千万円(年換算)を超えているとすれば、3期目は課税事業者になりますので、3期目で完成引き渡しを受けると消費税の還付を受けることはできます。でも、現実的には、3期目まで引き渡しを引張るのは、難しいと思います

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 広島県廿日市市の石井山正輝税理士事務所
この回答は  (役にたった/0件)

No.3 回答者:小林慶久 税理士 回答日:2014年7月21日
 三田さん、税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。
 まず貴方に御認識頂きたいのは、此の度御質問の対象になられた賃貸住宅の建築に際し、むろん消費税は課税されている筈ですが、基本的に非課税の家賃収入を得るための資産ということであれば、無条件に控除対象仕入税額の算定対象から弾かれ、仮にどれだけの消費税額が建物に転嫁されていようが、全て賃貸住宅の用途に供するものだとすると、詰まる所1円も還付の対象にはならないのです。
 そこで三田さんのように還付を受けたいがために、まかり間違って工事を行う事業年度と実際に家賃収入が上がる事業年度をずらすが如き作為的な操作を行おうとすると、私に先んじて御回答された大西先生が丹念に述べておられる如く、法律の網に引っ掛かってしまいます。サッカ-に例えるなら、つい先日まで行われていたワールドカップの決勝で惜敗したとは言え、優勝を飾ったドイツ相手に奮闘した名手マスチェラーノ選手を擁するアルゼンチンの鉄壁のディフェンスを掻い潜ってスル-パスを通そうとするかのような・・・。さらに還付を受けたいがために、法律に抵触する税務申告のファウルを犯してしまい、それに対する審判を下す税務当局から租税回避行為と見做された際には、重加算税や延滞税等のペナルティーが課せられる最悪の事態に陥るかもしれず、そのようなリスクを重々御承知置き下さい。
 上述の旨を心に深く刻み付け、法律を遵守した上で今回の御要望に沿うべく、針の目を通すような可能性に掛けるとするならば、伺った限りの御社の事業状況から察するところ、最初にやるべきこととして設立3期目はごく自然な流れで課税事業者に該当されるでしょうから、仰るような工事の進捗状況でいらっしゃれば、無理の無い範囲で業者さんにその工期を遅らせてもらい、その引渡しの時期がおそらくは課税事業者に該当されるであろう第3期目に持ち込まれるようにして下さい。こうすれば大西先生が御説明されたような「課税事業者の選択」に関する届出を意図的に御提出為さる必要は無くなり、消費税の納税の義務に従い適正な納税を行われようとした正にその事業年度に、この段階では考え方として課税売上を獲得するための資産か、はたまた非課税売上の挙績に貢献するための資産なのかはまだ判別出来ない、言うなればニュ-トラルな資産を入手された状態となるのです。
 次に御社の翌第3期目に付きまして、渦中のいずれ賃貸住宅に充てられる建物に対し、テナント収入が入られるのは、まだまだ先になりそうだとの見通しゆえ、居住用として用いられる一般の店子さんに実際に入居して頂くのは、第4期目以降に据え置き、第3期目は建築業者さんその他に対する自動販売機等の売上が計上されるか、元々が居住用としての造りであるなら、それでニーズを満たせると推測可能なIT関連やイラストレーター等の皆さんの作業場、私共税理士の事務所用というように、消費税の課税取引となる事業目的で御利用される方々に絞って、賃貸契約を結ばれることを御検討下さい。これまでの仕組が完璧に整ったのなら、本件資産はその時点では100%課税売上を産み出すべき実績に貢献していることとなり、控除対象仕入額への加算対象となるため、消費税の申告納税額の減額に繋がり、延いては還付される可能性も生じましょう。
 ここで満足せず、この時点で考察しなければいけないこととして、先の大西先生の回答からも伺い知れるように、此の度の建物のような収益に大きく貢献し得る資産に付き、それが課税売上を齎すのか、あるいは非課税売上に寄与するのか、それとも両者に跨るものならそれぞれの割合はいかほどであるかの判定に付き、消費税法では課税売上割合が著しく変動した場合の処置も定められているため、取得日以降3年間の通算の課税売上割合で改めて計算し直すこととなり、それゆえ実質的に過去に遡って納税義務が生じることになってしまわれるのです。三田さんの会社におかれまして件の建物は、いずれ本来の居住用に利用されるわけですから、その収益の殆どが非課税売上に帰属するものだとすると、3年経過した後にはいったん還付された金額の大部分の金額を、心ならずも所轄の税務署に払い戻さなければいけません。
 そこで前段の旨を防止するためには、還付を受けると期待される直後の第4期目から課税売上額5,000万円以下の事業者に選択適用が認められる簡易課税を継続して御利用される体制を整える必要があります。その事業年度開始の日までに簡易課税の選択の届けを出されるといった事務手続きはもちろんのこと、そもそもその適用が法的に認められるために大前提となるべく基準年度が5,000万円以下の課税売上の条件を満たすために、第4期目の基準年度となる第2期目、すなわち当期においてその基準の売上金額を逸脱しそうな見込であれば、別会社を設立して今後御社で計上されうる課税売上の金額の一部を移行する等の方策も講じなければならないのです。
 これまでに申し上げたことから御分かり頂けるように、三田さんの会社が今般御問合わせの建物取得に伴う消費税の還付を受けることないし申告すべき同税額の大幅な軽減に結び付けるためには、いずれにせよかなり際どい処理を要し、先述のどれか一つ欠けたとしても、大きな代償を負うことに繋がりかねないため、もし必要があらば個別に御相談して頂ければと願う次第です。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所
この回答は  (役にたった/2件)



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