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No.1778 | 役員に掛けてしまった退職金共済について |
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お名前:森田 | カテゴリー:会計・経理 知恵袋 | 質問日:2014年4月17日 |
こんにちは。 以前に同じような質問をされていましたが、内容が多少違うので質問させていただきます。宜しくお願いいたします。 私は入社8年目で、役員2人(お二人は兄弟)+従業員(私を含め)6人の小さな法人で経理全般と簡単な現場作業を担当しています。 2人の役員(お二人同時に入社)は、20年前に父親から会社を引き継いだのですが、兄の方は入社時点から役員(一般社員期間0日)で、弟は一般社員期間が3年間あります。 2人とも地元商工会議所を通じ、入社と同時に某保険会社の特定退職金共済(役員は加入できない)に加入しました。 某保険会社の当時の担当者がデタラメな人間で、事前に役員は加入不可との説明もせず、また、2人が役員かどうかも確かめもせず加入させ、兄は勿論ですが弟も役員昇格以後も加入し続け、現在に至っております。 先日、たまたま弊社に来られていた別の保険会社の方の指摘でこの事が発覚しました。近々、某保険会社と解約と責任追及についての話し合いの場を持つことになっております。 事務処理は、特定退職金共済は事業所が100%負担(全額損金算入可)なので、1人につき月1万円、2名の掛金で 福利厚生費20,000 現金20,000 特退共 ○○月分 としてきました。 これから特定退職金共済を解約するのですが、問題は、これまで掛けた共済金(期間20年、1人約240万円、計480万円が返金される予定です)が役員個人の口座に振り込まれることなのです。 これが法人の預金口座に振り込まれれば 預金4,800,000 雑収入4,800,000 特退共解約 で終了かと思うのですが、個人の口座に振り込まれるとなると、兄も弟も一時所得、または、弟だけ退職所得となり、2人とも確定申告、法人は最低3年遡って修正申告をしなければならないのでしょうか。 また、役員個人の口座に振り込まれた480万円を現金で引き出し、または口座振替で法人に移し、前出の仕訳(預金480万円/雑収入480万円)で終了させることは難しいでしょうか。 因みに、解約違約金として5%引かれるので、今まで掛けた総額よりも若干少ない金額が返金されます。 弊社の会計・経理はそれほど難しくないので、税理士事務所に勤務経験のある私が申告までしております。 長くなりましたが、どうか御指南を宜しくお願いいたします。 |
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No.1 | 回答者:大西信彦 税理士 | 回答日:2014年4月18日 | |
お尋ねの件です。 類似の制度の、中小企業退職金共済では、事業主が、誤って役員について掛金を支払った場合には、「誤納掛金返還申出書」を提出して掛金の返還を受ける制度があります。 仰せの特定退職金共済もそのような制度があると思われますので、一度、直接、共済本部に問い合わせをされたらいかがでしょうか。 その返還を受けられるときは、それまでの掛金は、全額とまでいかないでも、御社の方に振り込まれるはずですが。 以上、ご参考願います。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の大西公認会計士事務所 | ||
No.2 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2014年4月19日 | |
森田さん、初めまして。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。 渦中の役員でいらっしゃる御兄弟に対する特定退職金共済の解約金のうち、下記にその内訳を示させて頂く如く、御入社当初から役員に就任為(な)さっておられた御兄様の分につきましてはその全額を会社の収入に振替え、弟様に帰属するものに関し、従業員でいらっしゃった3年間分を個人の退職所得として計上され、残りの17年間分を前述と同じく会社の収益に御算入されれば宜しいかと思います。 御二人分の特定退職共済の解約金の合計額 ・・・ 480万円(差し当たって解約違約金を度外視) (1)弟さん分の従業員としての退職金相当分 ・・・ 月額 1万円×12ヶ月×3年間 = 36万円 これについては退職所得に対しての控除額が40万円×3年=120万円と算定され、その金額を最大限所得計算から減額出来るため、所得金額として認識される金額はゼロ。 (2)御兄弟分の従業員としての退職金という形で誤って掛けて来られた累積分 御兄様分 月額 1万円×12ヶ月×20年間 = 240万円 弟様分 月額 1万円×12ヶ月×(20年間 - 3年間=17年間) = 204万円 御兄弟分合計 444万円 基本的に誤って従業員扱いで掛けてこられた金額に対する解約分に付き、これまでの経緯(いきさつ)を鑑み、税務当局の御担当者に事情をきちんと説明出来るのでいらっしゃれば、例えいったん個人の口座に支払われても,それをそっくりそのまま法人に移し替えられるとすると、個人に対して課税されることはありません。あくまでも実質的に個人の懐に御金が入ったという事実を前提に、個人に課税が行われるのです。ゆえに法人がなにかしらの過ちによって、間違えて今般の特定退職共済に伴う御金を掛け続けたのだから、その解約分は法人の収入に計上すればそれで良いと思われます。そこでそれを具現化すべく仕訳で表すと、以下のようになりましょう。 個人の口座に入金時 (借方)役員貸付金 4,440,000 (貸方)雑収入 4,440,000 法人の口座に送金時 (借方)現金預金 4,440,000 (貸方)役員貸付金 4,440,000 役員でいらっしゃる御兄弟の個人口座に御金が振り込まれた後、直ちに御社名義の口座に移送されるのならば、役員貸付に対する利息も免れます。そして上述の処理を為(な)さったとすると、従来まで件の特定退職金共済に伴う掛金に対し、積立金で処理をされなかったことが察せられるため、前記の444万円について、法人で益金計上され通常の法人所得として法人税等の課税がされますが、それ以外の過年度の修正に対してとかいうような、余分な税金の御負担は一切生じません。既述の誤ちは、税務処理の前提となる事実関係の間違いであって、税務の問題には至らない筈です。 最後に20年前に此の度の特定退職金共済を貴社に御勧奨された保険会社の御担当の方も悪気は無かったと思うのですが、私がこれまでに申し上げたような森田さんの会社にとりまして、税務上の負担を最小限に抑えられるような処理を為(な)された上で、貴方が仰っておられる解約違約金の類に属する実質的な御社の損失分に相当する金額を、先の保険会社さんとの以前の行為の責任その他に対する話し合いの場において、補填してもらえるように御交渉為(な)さったら如何でしょうか? 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
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