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No.1077 | 利子所得税・利子割還付金の処理について |
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お名前:しょん | カテゴリー:法人税 知恵袋 | 質問日:2012年10月3日 |
よろしくお願い致します。 今期、利子所得税と利子割還付金が発生します。 今までは還付になった際に雑収入として処理してきましたが今回、会社が清算申告の為、利子割還付金を今期の均等割の支払いに充てたいと思っています。 この場合、均等割(未払法人税等)の支払いをした際に、 未払法人税等 / 現金 / 雑収入 で良いのでしょうか? とりあえず、こちらを教えていただきたいです。 あと、来期に雑収入を立てたくないのもあり、今期で還付分は期末に 未収入金 / 雑収入 で立てようかと悩んでいますが、この仕訳はしても問題はないでしょうか? その場合の別表の書き方がいまいちわからないのですが、会計ソフトを使用しているのですが、 利子所得税は、別表四の31(社外流出)で加算(これははじめからシステムで入力になっています) ですが、実際は減算の欄で(社外流出)が正しいのでしょうか? 利子割還付金は、別表5(二)で損金経理、別表四で加算(留保)、別表五(一)で増加(これははじめからシステムで入力になっています) でよいのでしょうか? また、翌期の場合は利子所得税は別表5(一)で減少、別表四で減算(留保)(これも通常のシステムで入力になります) 利子所得税の方はどのようになりますか? 長い質問で申し訳ありませんが、別表など良くわからないので、よろしくお願い致します。 |
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No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2012年10月3日 | |
しょんさん、はじめまして。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。 一連の流れの中で、貴方の意向を踏まえた上で、まず住民税の利子割について還付されるであろう金額をあらかじめ、相殺した後の金額を未払法人税等として処理されれば、それ以後の処理が簡単になるかと思います。例えば、欠損金が発生しているという仮定の元、利子割分について5円、源泉所得税として15円が還付の対象になり、均等割額を7万円支払わなければいけない状況のことを考えてみましょう。この場合、利子割の還付額5円を控除した69,995円を納税充当金として勘定科目上は未払法人税等で計上すると、仕訳としては下記のようになります。 (借方)法人税等充当額 69,995 (貸方)未払法人税等 69,995 利子割が5円発生するということは、預金利息等に関して (借方)租税公課 5 (貸方)受取利息 5 というような会計処理が当然のことながら行われていることが前提になると思われます。上記の方法であれば、利子割の部分については、雑収入としての収益計上を考慮する必要が無くなり、税務調整としては、別表4上で損金計上納税充当金として69,995円が計上され、これについて翌期以降に支払われた段階で、充当金取崩額として同額が計上されることとなり、最終的に別表5(2)上の納税充当金の残額がゼロになるのです。利子割の部分について、御質問で仰られているような税務申告用のソフトを活用したコンピューター上の流れだと、別表5(2)において当期発生税額分の計上として5円を打ち込み、同時に損金経理による納付ということで同額を入力すれば、自動的に期末現在未納税額は0円となり、別表5(1)には、反映しなくなるため、次年度において未収に伴う処理等をする必要が無くなります。これについて上述の仕訳とは異なり最初から会計処理の際に利子割の還付予定額を相殺しないで、仮に雑収入を立てられたとしたら、通常は入金時に仕訳処理並びに税務上の減算処理をするのですが、御質問の要請を反映させるのであれば、雑収入を未収計上された上で今回の決算に伴う税務処理の中で別表4上の減算欄に含まれる留保項目の一つである「法人税等の中間納付額及び過誤納に係る還付金額」の所定の箇所に利子割分の5円を入力されるようにしたら良いかと思います。 次に前述の設例の元、源泉所得税の還付予定額15円の処理のことを考えて見ましょう。これについて御質問で仰られているように、当期の決算においては別表4の31で加算され、社外流出の項目で損金不算入として処理されること自体に間違いは無く、如何なる場合を想定しても減算になるということはあり得ません。もっとも、しょんさんはこれに関して勘違いをしておられるようですが、利子に関する源泉所得税は利子税のカテゴリーには属さず、別表5(2)において損金不算入の源泉所得税の欄に入力をしなければいけないのです。これも決算を跨いで、翌期に入金された時に、会計上は雑収入として仕訳を切った上で、税務調整において「所得税額等及び欠損金の繰り戻しによる還付金額等」として社外流出に区分される減算項目としての処理が為されるのがセオリーなのですが、此の度の御要望に従い、今年度の決算において源泉所得税に対する還付予定額を雑収入として未収で計上することと合わせて、別表4上の減算処理を行われたら如何ですか?それに付き社外流出の項目なので別表5(一)を考慮する必要はありません。 御質問の文章が長くなられるのは、全然構わないのですが、法人税の別表の流れを文章で説明することは、なかなか難しいものなので、しょんさんが私の回答を読んで頂いた後、僅かでも疑問を抱かれた点があれば、また何度でも御質問して見て下さい。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
No.2 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2012年10月4日 | |
しょんさん、はじめまして。公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いいたします。 利息授受時に源泉税相当額につき、法人税等/受取利息 と仕訳されていることを前提にご回答します。 なお、「法人税等」はPL末尾に記載します、会計的には「租税公課」は誤りです。 1.均等割(未払法人税等)の支払いをした際に、 未払法人税等 / 現金 / 雑収入 で良いのでしょうか? → 仰せのとおりでよいかと思います。 厳密には「雑収入」ではなく、PL末尾の「法人税等」です。 2.あと、来期に雑収入を立てたくないのもあり、今期で還付分は期末に 未収入金 / 雑収入 で立てようかと悩んでいますが、この仕訳はしても問題はないでしょうか? → 特に問題ないと思います・ 厳密には「雑収入」ではなく、PL末尾の「法人税等」です。 3.利子所得税は、別表四の31(社外流出)で加算(これははじめからシステムで入力になっています)ですが、実際は減算の欄で(社外流出)が正しいのでしょうか? → 「雑収入」相当額はいわば税金の前払いですから、仰せのとおり別表では減算(社外流出)となります。 4.利子割還付金は、別表5(二)で損金経理、別表四で加算(留保)、別表五(一)で増加(これははじめからシステムで入力になっています) → 上記と同じく「雑収入」相当額はいわば税金の前払いです。ただし、いったん別表5(二)で損金経理、別表四で加算(留保)、別表五(一)で増加していただき、同時に同額を、別表四にて減算(留保)、別表五(一)で減算、別表五(ニ)損金経理(マイナス)ということとして、両建てされることとなります。 5.また、翌期の場合は利子所得税は別表5(一)で減少、別表四で減算(留保)(これも通常のシステムで入力になります) 利子所得税の方はどのようになりますか? → 基本的には何もしない、あるいは両建てということとなります。 そもそも、清算申告で翌期に繰り越したくないということからご質問されたと思いますが… なお、別表の記載方法については、前提条件や記載方法が、個々人やソフトによって微妙に異なることもあることにご注意ください。 あくまでもご参考ということです。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/法人税/No1077 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。