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No.1528 | アメリカ不動産売却時の税金 |
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お名前:ゆいこ | カテゴリー:その他の税金 知恵袋 | 質問日:2013年10月31日 |
はじめまして。 アメリカにて不動産投資を行っております。 売却を行った際の、日本における税金について教えてください。 日本とアメリカでは、租税条約があるので、確定申告をすれば、2重課税を免れることができるときいたのですが、それは、譲渡益に対して、何%というように決まっているのでしょうか。たとえば、短期保有と長期保有期間により、課税率が異なるなど。 よろしければ、税務局などのリンクもつけてご教示いただければと、存じます。 なにとぞ宜しくおねがい申し上げます。 |
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No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2013年11月1日 | |
ゆいこさん、税理士の小林慶久です。我国におきましては、只今プロ野球の頂点を決めるべく巨人と楽天の日本シリーズが行われておりますが、アメリカで行われたワールドシリーズではいち早く、日本出身の上原選手と田澤選手が在籍するボストン・レッドソックスがセントルイス・カージナルスを下し、世界一に輝きました。ボストンのあの傷(いた)ましき爆発事故の悲劇を乗越えたフェンウェイパークの熱狂に想いを馳せつつ、貴女がアメリカに所有されておられる不動産を売却される際の税金について、以下に述べてみたいと思います。 ゆいこさんが日本在住者でいらっしゃるという前提で考えさせて頂きますと、 (1)アメリカにおいて、同国の非居住者として、確定申告を行い、所定の連邦所得税に加え、州税を納付する。 (2)(1)の後に居住国である日本において最終的な確定申告をされる際に、結果として算出される所得税から上記(1)において納付された連邦所得税並びに州税を、貴女も御指摘の租税条約に基づく外国税額控除として減算する。 なおゆいこさんが仮にアメリカの居住者でいらっしゃるとすると、アメリカの連邦所得税と住居がボストンであるならば、それが位置するマサッチューセッツ州の定める州税を納付されることになるのです。貴女のリクエストに御応えしまして、アメリカの連邦所得税について記述された民間機関のホームページのアドレスを下記に御示し致しましたので、御参照されて見て下さい。 http://www.japan-bus.pwc.com/extweb/news/incometax.php それでは具体的な数字を交えながら、以下に御説明して見ましょう。冒頭で触れたメジャリーグに絡んで、本日公開の映画、元ドジャースでプレイしたジャッキー・ロビンソンをテーマにした映画「42~世界を変えた男~」に因(ちな)み、1ドル100円の設定で42万ドル(4,200万円)で取得した不動産を50万ドル(5,000万円)で売り渡された場合を想定してみましょう。所有期間は、我国の所得税法の定める5年を超える長期所有物件に該当するものであると設定致します。 (1)アメリカにおける第一段階での申告 投資不動産譲渡益 80,000ドル 人的控除(我国における基礎控除) 3,800ドル 差引課税所得 76,200ドル 通常の所得として上記の課税所得金額に先述のホームページを参考にしつつ、累進の税率を乗じると、連邦所得税額はおよそ15,223ドルとなります。なお米国税法における長期所有物件に当て嵌まるとなると、上限として税率は76,200ドル × 15%の11,430ドルに収まることになるのです。便宜上、州税は度外視させて頂き、次に日本での最終的な譲渡所得の申告のための計算を考えて見ましょう。 (2)日本での最終的な申告 譲渡益 8,000,000円(売価ー原価・8万ドル×100円) 譲渡経費 X円(アメリカでの投資に伴う管理料並びに申告に伴う経費も含まれます。分かりや すくするために0円と仮定) 基礎控除 380,000円 差引譲渡所得 7,620,000円 上述の所得に対する所得税は、15%の1,143,000円(別途譲渡所得の5%に相当する381,000円の住民税が賦課されます。)となり、それより先程のアメリカで当初支払った1,522,300円(15,223ドル×100円)が減額されることとなるため、結果的に我国で納付すべき所得税はゼロとなるのです。 ところで前述の計算が短期所有物件のついての所得として計上される場合は、その所得金額に対して30%の税率が課せられるため、その所得税額は、 7,620,000円 × 30% = 2,286,000円とかように計算致します。 (別途9%の住民税685,800円が課されます。) これに際しても外国税額控除を適用すると、最終的な申告所得税額は以下のようになります。 2,286,000円 - 1,522,300円 = 763,700円 我国の譲渡所得の計算の仕方その他については、下記に掲載させて頂いた国税庁のホームページを御参考下さい。 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/joto/annai/1647_01.htm 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/その他の税金/No1528 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。