トップページ > 知恵袋 > 会計・経理 > 建設業の売上計上時期は?
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No.1366 | 建設業の売上計上時期は? |
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お名前:こまねち | カテゴリー:会計・経理 知恵袋 | 質問日:2013年5月29日 |
はじめまして。 4月から建設業の経理事務を任されることになりました。 売上の計上時期がわかりません。 請負契約書には8月完成で、6月に中間金として半分入金になります。 このような場合は6月にお金が入ったときにどのような仕訳をすれば良いですか? 8月に決算を迎えます。 追加工事等で9月に完成した場合、追加工事分のお金は別にして、当初8月に入金予定だった金額を売上にするんですか? また、他の契約によっては第1回、第2回、第3回とかにわけて、こちらがかかった費用に応じて請求して翌月入金になる場合もあります。 このような場合は、入金されるごとに売上に計上ですか? もう一つお願いします。 本契約以外で材料代を請求できる場合は、 決算時期で完成していなくても、入金があったときには材料売上に計上するのでしょうか? はじめてのうえに引き継ぎもなにもなかったので困っています。 |
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No.1 | 回答者:大西信彦 税理士 | 回答日:2013年5月29日 | |
お尋ねの件です。 工事の場合には一般的には、完成し、施主に引き渡した時点で売上を計上します。 それまでに受け取った金銭は前受金勘定に計上し、売上計上時に (借方)前受金×× (貸方) 売上×× 工事未収入金×× という仕訳を起こします。 8月末に決算を迎え、いまだ完成・引き渡しが終わっていない場合には、入金相当額が前受金勘定に計上されていることになります。 本契約以外で材料代を請求できる場合も、その材料は本契約の工事に係るものでしょうから、本契約が完成するまでは、その入金額は前受金勘定に計上することになると思われます。 以上、ご参考願います。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の大西公認会計士事務所 | ||
No.2 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2013年5月29日 | |
こまねちさん 公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いいたします。 建設業の場合、売上の計上基準は原則として検収基準(引渡基準)を採用します。 ところで、ひとつの契約において、引渡前に中間金等として入金する場合があります。 これは、官庁工事等において、完成までに入金がないと、請負業者がその下請け業者に外注費等を支払えないため、設けられています。 このような入金があった場合、売上(建設業会計では「完成工事高」等)に計上するのではなく、前受金(同「未成工事受入金」等)と仕訳します、対応する原価は、仕掛品(同「未成工事支出金」等)に計上します。 本体工事と追加工事があって、本体工事を決算前に引き渡し、追加工事は決算後に引き渡しであれば、本体工事のみを決算に計上します。ところが、追加工事の内容が、本体工事の一部手直し等であり、実質的に本体工事と一体になっているような場合は、決算時に、本体工事のみを完成工事高に計上する必要は理論的にはありません。このあたりは実態に即して判断すべきで、税務調査でも問題になるところです。 また、契約によっては、出来高払いとして、一定期間ごと(多くは1月ごと)に、その都度、請求して金銭を収受する場合があります。この場合は、請求の都度(入金ではありません。現金主義は駄目です)、「完成工事高」に計上します。 最後のご質問の意味は少し文意を取りにくいのですが、本契約とは別に、材料代を施主等に請求できることを仰せのようですね。この場合、入金ではなく、請求時に「完成工事高」に計上してください。 建設業会計は、独特の会計用語と個別原価計算に習熟する必要があります。ある程度の専門知識を要します、これは、顧問税理士も言えることです。商業簿記的に決算書を作成されている会社(税理士)をよく見かけますが、対外的には恥ずかしいことです。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
No.3 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2013年5月29日 | |
こまねちさん、はじめまして。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。 建設業による請負については、原則として工事期間が1年以内に収まる見込みの収益については、その計上の時期を法人税基本通達2-1-5により建物引き渡しの日とすべきであることが明記されております。よって今回の御質問のケースの場合に関して、全工事が完了するのが、平成25年9月であれば、その時点で収益を計上されれば良いでしょう。ゆえにその途中である6月に中間金を受け取った際の仕訳は、以下のようになります。 (借方)現預金 ○○ (貸方)未成工事受入金(前受金) ○○ 次の御質問については、同じく法人税法基本通達2-1-9により、慣習等により完成した部分に応じて入金がある場合に該当致しますので、通常であれば入金に応じて収入を計上して頂き、決算月に関しては、その請求書の発行に応じて収益を御認識して下さい、 最後の材料代等に関する売上については、前段落で述べた旨と同様であり、こまねちさんが仰られたように、通常の月は入金ベースで計上され、決算時においては、請求書の発行ベースで売上を把握して頂ければと願う次第です。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/会計・経理/No1366 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。