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No.852 | 海外銀行の利子に関して |
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お名前:ムトウ | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2012年1月15日 |
はじめまして、こんにちは。 海外銀行での利子の税金に関して質問があります。 お忙しい中かと思いますがよろしくお願いいたします。 昨年度ニュージーランドにある銀行に口座開設をして、 口座維持費程度の通貨1万ニュージーランドドル(およそ60万相当)を国内の銀行から 送金しました。普通預金ですので、毎月利子があり、 その15%がNon-resident Withholding Tax[NRWT](非居住者)として差引かれています。 [NZでの所得はこの利子所得しかありません] しばらく私自身は日本居住予定で、入金したNZドルは円転換する予定はありません。 今後さらにNZドルを送金する予定です。 1、このNZドルとして得た利子は日本国内で利子所得として確定申告する必要はありますか? 2、1で申告必要な場合、今後円転換する予定がないのにどのように円換算すればよいのでしょうか? 3、「外国税額控除」が利用できるようですが[NRWT]である場合は既に日本国内で確定申告する 必要はないのでしょうか? 4、3で「外国税額控除」は2重課税を回避するためにあるらしいのですが、 であるならば確定申告しても単に利子があったという明細を印刷して 既にNZの銀行のほうで税金を払ったという文言を添えれば日本国内で税金を 払う必要はないということでしょうか? 以上になります。 |
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No.1 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2012年1月16日 | |
ムトウさん 公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いいたします。 ムトウさんが日本の居住者(日本に生活の本拠がある)で、個人の所得税について、お答えします。 海外銀行の預金利子は通常の場合、銀行所在国の税制に従って所得税等が源泉され、なおかつ、日本の所得税に従って源泉所得税等が徴収されています。(二重課税) したがって、お尋ねのニュージーランドの銀行の預金利子も、日本の所得税では国内銀行の預金利息と同じく、利子所得として源泉分離課税ですから、確定申告は不要です。 外国税額控除は、ニュージーランドの銀行から送付されてくる書類に従って、ニュージーランドの税制により徴収された税金の一部が確定申告により還付されるものと思われます。 詳細は所轄税務署でご相談してください。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
No.2 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2012年1月16日 | |
ムトウさん、おはようございます。税理士の小林慶久と申します。こちらこそ宜しく御願い致します。ニュージーランドの銀行で昨年口座を開設されたそうで、利息は5%前後付くかもしれませんが、この円高の折、現在の為替相場で円換算すると預金額の評価が下がっていらっしゃるかもしれないですね。 1、利子所得については、原則として国内の銀行であれ、国外の銀行であれ、日本の居住者に対する所得税は租税特別措置法第3条が適用され、自動的に15%(実際は、住民税分も合わせて20%)の源泉所得税が天引きされることになり、確定申告の必要はありません。日本とニュージーランドの場合は、租税条約により二重課税を防止するために、ニュージーランドの銀行でも15%の源泉所得税が徴収されることになっています。仮に日本と租税条約が締結されておらず、銀行預金の利子その他について源泉徴収されない国での預金利息等に関しては確定申告の必要があります。 2、もちろんニュージーランドドル建で利息が入金されるのですね。上記1に示したように申告の必要も無いので、円換算をする必要もありません。 3、上記1、2の流れで外国税額控除の適用はありません。理論上、日本と租税条約が締結されておらず、銀行預金の利子等について20%以上の高い税金が源泉徴収されるような国で生じる利子収入については、日本で確定申告を行えば、所得税が還付される可能性はあるかと思います。 4、これまでに示させて頂いた流れで要するに何もされる必要はないですよ。ちなみにニュージーランドの銀行では、先に御紹介した租税条約の関連で日本にいる非居住者に対してということで15%の源泉所得税が課されるのであり、一般の居住者等については2%の源泉所得税で済むらしいですが、そうするためには原則日本での確定申告及びその他の手続が必要とされ、それだと上述のように合わせて20%の所得税と住民税を支払わなければならないことになります。ゆえに、それと比較すると現在の状態で何もしなければ5%の住民税分だけ得するような形になるかと思います。 ムトウさんや日本の主に町工場等の製造業を営んでいらっしゃるような方々のためにも、現在の異常な円高が緩和されて円安の方向に為替相場が動くことを願っています。そうなることを前提にニュージーランドドルドル建ての預金を円に換えた時の為替差益は雑所得の対象になります。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/所得税/No852 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。