トップページ > 知恵袋 > 所得税 > 所得税額の徴収不足
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No.836 | 所得税額の徴収不足 |
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お名前:TAT | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2011年12月30日 |
とある月に、退職した会社から次のような書類が届きました。 弊社の税務調査において退職された従業員の方に お支払いした給与に対する所得税の徴収不足を指摘されました 現在徴収不足分については納税額の一部が滞納扱いになっており このままの状態では徴収不足分を皆様一人一人に ご負担頂くことになります。 つきましては徴収不足分の税金をご負担頂かないために 同封した扶養控除等申告書の住所、生年月日、名前を記入し 今月中に弊社に返送いただくようお願いします。 なお期日までにご返送いただければ滞納として取り扱われず、あらたな金銭のお支払いは発生しません。 今月中にご回答頂けない場合は不足分をご負担していただく 必要が生じます。 その際正確な不足金額をこちらで計算して請求書を発行しますので お支払いください という書類です。 書類が届いた月は留守にしていたため書類の返送などは できておりません。 源泉徴収を会社がしているのですが、このような場合 会社のミスで発生した問題で、不足分、滞納などの支払い義務は 会社にあるのではないのですか? 期日までに扶養控除等申告書を会社に返送すれば 滞納として取り扱われず新たな支払いは発生しませんが 回答頂けない場合は不足分をご負担いただきますというのが よくかわりませんでした。 私は不足分を支払わなければならないのでしょうか? すみませんがご回答をお願いいたします。 |
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No.1 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2011年12月30日 | |
TATさん 公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いいたします。 会社は給与を支払う時に、税務署に代わって所得税を前もって徴収する義務があります(源泉徴収義務)。 TATさんが以前勤めたおられた会社も、所得税を徴収されておられたことかと思います。 しかしながら文面から察するに、おそらくTATさんの勤めていた会社は、扶養控除等申告書をあらかじめ従業員から提出してもらっていなかったことを税務署から指摘され、扶養控除申告書等を提出していない場合の源泉所得税を要求されているようですね。 源泉所得税は扶養控除等申告書の提出の有無により大きく異なります。あれば計算表の甲欄が適用され、なければ乙欄が適用されるのですが、乙欄のほうが多額になるので、乙欄と甲欄の差額を追加で納付するように求められていると思われます。 この場合、会社の手続きに非があるとはいえ、原則的な手続きとしては、差額の源泉所得税を会社がいったん税務署に立て替え払いをして、立て替えた額を従業員に請求することになります。さらに、従業員は確定申告により、払いすぎの所得税を還付してもらうこととなりますが、お分かりのように煩雑な手続きが必要となります。さらに状況によっては、還付されないこともあります。 このようなことに鑑み、税務署は、扶養控除等申告書提出について猶予期間を設定したことと思われます。 期限が超過するかも知れませんが、扶養控除等申告書を会社に提出されて様子を見られるのがよいかと思います。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
No.2 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2011年12月30日 | |
TATさん、はじめまして。小林慶久と申します。宜しく御願いします。 ある期日までに扶養控除等申告書を提出すれば、滞納扱いされないという流れは何故そうなのであるかという事に関してTATさんが勤めていらっしゃった会社さんと税務署との話の経緯が不明なので私にもよく分からないのですが、原則的には所得税法第194条の規定により扶養控除等申告書はその年の最初の給与の支払をする日の前日までに提出しなければいけないこととなっております。厳密に法律を適用すると、例えば今年平成23年分において扶養控除等申告書が提出されていなければ、原則的に年初より普通の人より割高となる乙欄(一つの会社に勤務している大概の人は甲欄)により源泉所得税を徴収されなければならず、それによる徴収不足額をTATさんが会社に支払うことになると、その負担は重いものになってしまうかと思います。 一般的に勤めていた会社の給与に関する徴収不足という事象についてでありますが、本来はTATさんが支払うべき所得税を会社が徴収することを怠っていたということであり、例えば新聞の集金人さんが集金を怠り、1年間分の新聞代をまとめて請求されたというようなことと原理的には同じだと思います。ゆえに基本的には徴収不足額は、TATさんが国に支払わなくてはいけません。 それでは、今回の件の現実的な解決策ですが、例え御質問の際に仰られたように会社から指定された期日に扶養控除等申告書の提出が間に合わなかったにしても、事情を説明された後、とりあえず会社にそれを提出されたら如何でしょうか?それでも会社から徴収不足額を支払うように請求されたとして、一時的にTATさんにとっては軽くはない金銭的な負担を強いられたとしても、確定申告により還付される可能性もあるかと思います。会社も源泉徴収額を間違えたか、若しくはしていなかったというミスを犯したわけだから場合によっては、分割払いの交渉をされても宜しいのではないでしょうか? 上記のように回答させて頂きましたが、以前勤められていらっしゃった会社と良く連絡を取り合い、あまり波風の立たない解決策を嵩じて欲しいと思います。当面のモヤモヤが晴れて、TATさんが穏やかな御気持ちで新年を迎えられます様、心から御祈り申し上げます。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
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『https://www.zeitan.net/chiebukuro/所得税/No836 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。