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No.1448 | オーストラリア銀行から得た金利について |
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お名前:auslover | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2013年8月13日 |
初めまして。 現在オーストラリア在住の者です。 この度、日本に帰国する事になりまして、 オーストラリアの銀行を維持しようか否かを悩んでおります。 維持したい理由としましては、高金利である事です。 今後はオーストラリア非移住者となるため、 銀行金利から自動的に10%の源泉徴収を引かれるようです。 そこで何点か質問させてください。 1)日本で確定申告する必要があるのか? 2)日本で確定申告が必要な場合、既にオーストラリアで引かれた源泉徴収はどうなるのか。(二重に支払わなければならないのか?) お忙しいところ大変お手数ですが、ぜひご回答いただけますと幸いです。よろしくお願い致します。 |
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No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2013年8月14日 | |
ausloverさん、御初に御目に掛かります。 私、花の都大東京生まれの千葉県育ち、姓は「小林」名は「慶久」と綴り、「こばやしよしひさ」と発します。あの「寅さん」の映画で一躍有名になりし東京は葛飾柴又より、ものの一里程江戸川伝いに下り、川を挟んで斜交(はすか)いに対座する千葉県市川にて税理士を生業(なりわい)と致しております。只今、日本におきましては記録的な猛暑が大地を襲っておりますが、現在貴方はオーストラリアに住んでいらっしゃるということで、こちらとは打って変わって寒い季節を御過ごしになっておられるのですね。 さて此の度の御質問の事項に対し、以下に順繰りに御答えさせて頂きます。 (1)今後は日本の居住者になられるということなので、外国の金融機関より生ずる預金利子に付いては、本国で利子所得として確定申告の対象となり、合わせて課税されることとなるのです。ちなみに我国の銀行等から発生する利子収入に対しては、あらかじめ本邦におきまして源泉徴収されているということで、源泉分離課税という制度が採られ、ゆえに改めて御申告される必要はありません。 (2)オーストラリアで差引かれた源泉徴収税は、我国において外国で本邦に先立って課税された外国税額ということに鑑(かんが)み外国税額控除の対象になるため、結果として二重課税とはなりません。具体的にausloverさんの他の所得は度外視して、ここ日本におきまして件の豪州の銀行からの利子所得が、課税される際の例示をその収入に付き日本円に換算して総額100万円、源泉徴収された同国の税額を10万円として以下に実際に計算して見ましょう。 利子所得(収入) 100万円 基礎控除 38万円(便宜上、その他の控除を考慮しない) 差引課税所得 62万円 上記に対する所得税額 3万1,000円 外国税額控除 10万円 3万1,000円 - 10万円 < 0 ∴所得税額はゼロ。 基本的に日本を基準にした場合に過払いとなる税金、10万円 - 3万1,000円=69,000円については、貴方に還付されないのですが、上述のようなケースに際しオーストラリアの銀行さんの場合、我国との租税条約に基づき、日本で手続を行った確定申告書を御呈示されれば、還付に応じて下さる場合もある様です。上記のような場合を想定して、同地に住んでいらっしゃる間にそちらの銀行の方に御確認されて見たら如何でしょうか? 現在のオーストラリアでの銀行預金を維持されたいとのことですが、当地へ再出国の御予定があるならいざ知らず、当分それが無いとすれば、預金を引き下ろす際の手間が煩雑となる等のデメリットも考慮しなければならないでしょう。そのような場合に備えてのことも、そちらにおられる間に御検討され、場合によっては只今御持ちの預金口座を、どうしても豪州ドル建てで所有しておかれたいとの御望みであれば、払戻が便利な日本の金融機関や証券会社が取り扱っている別のオーストラリア建て預金並びに債権に、柔軟にシフトされる方策を御考慮されても良いのかもしれません。 最後に近々、ausloverさんが豪州より御帰国されるとして、状況が許すのであれば、住民票等を我国日本に移されるのを来年平成26年以降にされれば、基本的に平成25年分の件のオーストラリアでの収入に関して、本邦において所得税並びに住民税の課税は為(な)されず、その必要が生じるのは平成26年分以降となる筈です。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
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