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退職金と給料
No.1116

退職金と給料

お名前:koro カテゴリー:法人税 知恵袋 質問日:2012年11月21日
株式会社でスーパ-を経営している社長(株式100%所有)の長男の嫁で経理を担当しています。夫(長男)が事業を引き継ぐ意思がありますので、義父は夫に社長を譲る予定です。(取締役は義父、夫の2人)社長の退職金や給料等についてお尋ねします。
①義父は代表取締役をやめますが、取締役として残る予定です。取締役として残る場合、役員退職金は常識的な範囲であっても経費として認められない場合があるので、社長を辞めた後の給料を半分以下にするとokだと聞きました。本当ですか?
②逆に、取締役も辞めれば、社長を辞めた後の給料を半分以下にしなくても常識的な退職金は経費として計上できますか?
③役員の給料は、決算後3か月以内に変更したら次の決算が来るまで変更できないとなっていますが、義父が取締役も辞めた場合、役員ではなくなるので年度の途中で給料を変更してもokですか?
④義弟(次男)が勤めていた会社が倒産し、当社に入社予定です。家族がおり、近所でアパ-トに住んでおります。義父の考えでは、次男が仕事がどれくらい出来るか未知数なので、入社時には一従業員として働いてもらい、年度の途中でも働きに応じて給料を上げていき、数年後には取締役にして、兄弟で会社を運営してもらいたいと考えています。義弟(次男)は取締役でない期間は年度途中での給料変更は問題ないですね?
以上よろしくお願いします。



No.1 回答者:小林慶久 税理士 回答日:2012年11月22日
koroさん、はじめまして。税理士の小林慶久と申します。宜しく御願いします。御質問の順番に従って、以下に回答させて頂きます。

回答①、② 御聞きになられたことに関して、回答を導き出すべくその指針となる法人税基本通達9-2-32に関して「法人が役員の分掌変更又は改選による再任等に際しその役員に対し退職給与として支給した給与については、(中略)その分掌変更等によりその役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められることによるものである場合には、これを退職給与として取り扱うことができる。」とされ、その一つの場合の例示として「分掌変更等の後におけるその役員の給与(おおむね50%以上の減少)が激減したこと」が挙げられています。ただし括弧書きが付され、実質的に御義父様が経営権を握られたままの状態が続いているのであれば、上記通達に沿って報酬の額さえ減っていれば良いというものではない旨の記述もされています。現実問題、彼が御社の株式を全株保有していらっしゃるのであれば、役員報酬を大幅に下げたとしても税務当局からは会社の経営を引き続き掌握されていると見做されがちです。よって実際に第一線を退き、例えばですが、けじめとして経営の表舞台への登場にはピリオドを打ち、会長として隠棲に至ったというようなことを取引先等の第3者に周知されたりといった実体をきちんと整えることが何よりも大切になろうかと思います。御義父様に関して件の退職金を支給されるにあたり、それ以降、前記通達に定められた代表取締役でいらっしゃる現在の報酬の半分以下にして頂くのは、必要最低限の条件として、さらに御社の業務に支障が無いのであれば、取締役も辞任された方がベターでしょう。 

回答③ 御義父様が取締役を辞任されたとは言っても、前述の回答①、②で申し上げたように会社の全ての株式を保有していらっしゃることを鑑みれば、経営から徐々に退くという流れにより、事業年度の中途でその報酬を減額することは認められても、上げることについては税務の見地からすると利益操作をしているかのような疑いを抱かれてしまうリスクは少なくないと懸念致す次第です。

回答④ 御質問で仰られる方向性に基づき、義弟様に関し他の従業員の方と同じ基準の元に実績や能力が認められての昇給ということであれば、年度での途中であっても変更されて全く問題はありません。しかし彼が現在代表取締役でいらっしゃる御義父様ないし今後同職に就任される御予定の御主人の同族関係者だと判断されることを前提にすると、不相当に高額な額の給与が支払われていれば、所轄の税務署から否認される危険性もあるので御注意下さい。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所
この回答は  (役にたった/2件)

No.2 回答者:小林拓未 税理士 回答日:2012年11月22日
東京都中央区の小林税理士事務所 小林拓未と申します。それぞれ回答致します。

1 退職金を払い、それが経費として認められるには、第一に退職した事実があることが重要です。勤務自体を続けられるのであれば、代表取締役を退任した事実を取引先、銀行などに通知し、権限も縮小する必要があります。ただ、給与を半分にすれば良いというわけではありません。

2 同様に、名目上、取締役を辞めただけで良いというわけではありません。

3 給与の額は、取締役退任後に変更してもかまいませんが、他の従業員と同様の基準である必要があります。

4 義弟さんが入社して、働きに応じて給与を上げるのは、問題ありませんが、こちらも他の従業員と同様の基準である必要があります。

代表取締役の件は、1常勤から非常勤役員へ、 2取締役から監査役へ、3給与50%以上減少、などの例示がされておりますが、これに加えて、実印を次期社長に預けている、などの事実が必要です。また、株式の一部または全部を譲るなどの事実があれば、補強材料になります。形式だけ、代表取締役を退き、実際は以前と変わらず仕事を続けるのであれば、今回の退職金支払いは見送り、本当にやめられる際に支払うことも検討して下さい。

オーナー一族の給与や退職金の取り方は、税務上問題になりやすいので、形式と実態を一致させ、適正性を証明できるようにしておく必要があります。詳細は、是非税理士にご相談下さい。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 東京都中央区の小林税理士事務所
この回答は  (役にたった/1件)



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