トップページ > 知恵袋 > 消費税 > 課税売上割合と仕訳方法
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松島一秋 税理士
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No.790 | 課税売上割合と仕訳方法 |
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お名前:TOM | カテゴリー:消費税 知恵袋 | 質問日:2011年10月12日 |
いわゆる95%ルールの廃止により消費税の課税売上割合について今まで以上に正確な計算が求められます。 ところで、消基通10-1-12によると、 (1)委託販売等に係る委託者については、受託者が委託商品を譲渡等したことに伴い収受した又は収受すべき金額が委託者における資産の譲渡等の金額となるのであるが、その課税期間中に行った委託販売等のすべてについて、当該資産の譲渡等の金額から当該受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額としているときは、これを認める。 (2) 委託販売等に係る受託者については、委託者から受ける委託販売手数料が役務の提供の対価となる。 なお、委託者から課税資産の譲渡等のみを行うことを委託されている場合の委託販売等に係る受託者については、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額としても差し支えないものとする。 とあります。 つまり、受託者が収受する金額を150、受託者に支払う委託販売手数料を50とした場合、 ●委託者の仕訳は 現金150/売上150 委託販売手数料50/現金50 とするのが原則だが、 現金100/売上100 と仕訳けてもOK、 ●受託者の仕訳は 現金50/受託販売手数料50 とするのが原則だが、 現金150/売上150 仕入100/現金100 と仕分けてもOK、 このように言っているのだと思うのですが、 課税売上割合の計算を考えた場合、 委託商品が課税資産なら、委託者は原則仕訳が有利となる一方、受託者は原則仕訳が不利になります。 受託者は有利選択をしてもよいということでしょうか? |
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No.1 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2011年10月12日 | |
TOM様、はじめまして。小林慶久と申します。結論的には、OKです。受託販売の場合、例外的に委託商品の売上に係る金額を課税売上、委託業者に支払う金額を課税仕入に係る金額として計上する方法が認められます。 ただし、御自身で呈示された消費税基本通達10-1-12(2)には、委託者から課税資産の譲渡のみを行うことが委託されている場合に限って、上記の例外的な処理が認められるとされているため、他の事業を兼業しているような場合は、ともかくとして、元々課税売上は100%であるということが前提になり、有利不利の恣意性が介入するような余地を通達は想定していないと解釈出来るのではないかと思います。 さらに上記のような例外的な処理方法の場合、原則的な方法に比べて、相対的に課税売上の金額が大きくなってしまうため、課税売上1,000万円以下という免税の判定の場合は不利になってしまいます。また、他の事業も営んでいらっしゃる場合、同じく課税売上の合計の金額が大きくなってしまい課税売上5,000万円以下という簡易課税の要件を満たすことが出来なくなり、場合によっては不利になってしまうこともあるため注意が必要です。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
No.2 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2011年10月12日 | |
TOMさん、公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いいたします。 いつもながらの鋭い質問ですね。 お尋ねの件は、前の税理士先生の回答の通り、OKかと思います。 そもそも、委託販売は、簿記で勉強したような処理をするケースは少ないでしょう。 百貨店やスーパーと取引していればお分かりかと思います。 実務的には委託販売といえども、通常の売買取引で処理しているケースがほとんどでしょう。 実質的には委託販売でも、委託販売として認識しているケース自体が少ないです。 つまり、モノが出た時に売上の処理をして、モノが帰ったきたときに返品の処理をしています。 上記の取り扱いは、そのような実務を考慮した取り扱いといえるでしょう。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/消費税/No790 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。