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No.563 | 自社株の売却について |
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お名前:経理のプ-さん | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2011年1月4日 |
会社で経理担当をしている者ですが、質問があります。 当社の社長が、共同経営を考えている知人に社長が所有する当社の株式の一部を売却したいとのことです。 税金文献によると、純資産評価と類似業種比準評価を加重平均して計算することとなっています。 当社は9月決算のため、純資産評価は直近のh22.9月決算にて評価することとなるのでこれで計算できますが、類似業種比準評価は国税庁から公表される数字をもとに計算することとなり、課税時期の属する月・前月・前前月の株価で評価することとなっていますが、現在は平成23年1月になりましたが、現時点で昨年の10月までの株価しか公表されていません。 1月中に売却予定ですが、10月までの株価しか公表されてなければ、適正な売却価格を計算することができません。 売却時点での公表株価にて評価(1月売却で、前年10月の株価評価)して売却すると、1月評価と前年10月評価の差額について税務調査等で否認されるのでしょうか?否認されるのであれば、どうしたらよいのでしょうか? |
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No.1 | 回答者:松島一秋 税理士 | 回答日:2011年1月9日 | |
ご質問は非上場株式の売買におけるその株式の売買金額に関する問題ですね。 ご質問内容を見ますと、国税庁財産評価基準による株式の評価に関して、若干混同されているようですので、先ずは、財産評価基準の位置づけ等を述べさせていただきます。 純粋な株式の取引としてと考えるならば、売買の当事者である買主と売主が正常に取り決められた価額であれば、その価額が高額であろうと低額であろうと原則的には何ら問題が生じないと思われます。 しかし、その株式の売買当事者が親族とか同族会社とかの特殊な関係者間で行われる場合には、株式の売買を利用して相手に利益を与えたりすることが往々にあります。 この場合にその利益の供与を受けた方に、贈与税や所得税等の課税の問題が発生してきます。 そして、この株式の売買による利益の供与を受けた金額を算出するために、国税庁では財産評価基準を定めてこれに基づいて評価することとされています。 国税庁方式の株価算定というのは、もともと相続税等の財産評価を目的として定めら財産評価基準上の時価であります。 したがって、相続税法上の時価であるといわれるものは、財産評価基準による評価額によるのでありますが、課税技術の上からもその安全性がが求められることからしても、必ずしもいわゆる通常時価とは若干異なる要素が入り込んだ価額であるといわれています。(相続税法上の評価額は、通常時価の80%あるいは70%といわれています。) したがいまして、実際の課税上の実務としては、上記国税庁の財産評価基準による評価額を下回るような価額で株式の売買が行われた場合には、問題が生じてこようかと思われます。 そこで、ご質問の場合には、知人に株式を譲渡されるのですから、その売買価額の決定に純資産評価と類似業種比準評価を加重平均して計算した価額を参考にされようとなされていることと思います。仰るように、類似業種比準評価は国税庁から公表されるのは数ヵ月後ですから、株価が大きく変動する場合には当然問題が発生します。 ところが、さきにも述べましたとおり、国税庁の財産評価基準は相続税法上の評価額であって通常時価の80%あるいは70%といわれています。 したがって、現在公表されている数値によった評価をした上で、ある程度の余裕(上積み)を持った金額を売買価額とすることが必要であろうと思います。 質問内容のみでは詳細が不明ですので、できるものであれば事前に所轄の税務署で相談されるとか、資産税実務に詳しい税理士に諸々の事情等を話し関係資料を含めて示された上で相談をされて、申告前に十分に検討されることが肝要です。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 愛知県瀬戸市の松島一秋税理士事務所 | ||
No.2 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2011年1月9日 | |
経理のプーさん 公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いいたします。 非上場株式の売買価格については、客観的な価格形成に欠けるところがあるので、税務上、売買当事者の関係や持株割合等により株価の算定方式が異なり、とくに同族間であれば恣意性も入るため、税務署としても関心のあるところです。 ご質問の類似業種比準価格のタイミングのズレについてですが、相続や贈与なら対価の授受がなく、取引時点から申告までに資料が公表されるので、悩むことはありませんが、売買の場合は、経理のプーさんのように悩むこととなります。 これについては、たとえば、10月の類似業種株価から、その業種の株価(日経平均等)の騰落率等を反映させる等により、合理的に税務署に説明できる価格調整が必要と思います。 その結果、事後に国税庁から公表される類似業種株価に比べ、不当に低い価格でなければ、税務署からのクレームはないと思います。 ただし、国税庁の採用する類似業種の採用会社が1月から入れ替えられることがあり、その結果、比準株価や諸要素の価格が、かなり変化することもあります。 したがって、類似業種比準価格を適用する場合、このような時期に売買することは、売買実務的には好ましくないことも申し添えておきます。 ご質問に至る背後関係が明確でないので、類似業種比準価格についてのみご回答しましたが、それ以前にも問題があるかもしれません。 慎重な対応という意味では、株式売買等の実務に詳しい会計士・税理士等の専門家にご相談されることをお勧めいたします。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/所得税/No563 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。