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No.876 | 土地購入と駐車場賃貸と確定申告 |
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お名前:佐藤 | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2012年2月6日 |
私は、個人で雑貨店を2店舗経営しており、毎年事業所得を青色申告しております。本店は私が店長で、妻が支店の店長で青色専従者給与を支払っております。 h23に土地(持分は私60%妻40%)を購入し、12月から駐車場として賃貸開始しました。土地は持ち分に応じて支払し、諸経費(登記費用、仲介手数料、契約書印紙代等)は私が負担しております。 駐車場賃貸はまだ1件だけで、私の名前で賃貸借契約し、12月の収入が5000円で保証金も5000円受け取りました。不動産管理会社に委託しておりますので、管理料6300円を支払っております。 確定申告の計算中ですが、下記の通り質問があります。 ①h23年度は駐車場収入は少額ですが不動産所得を確定申告しないといけないでしょうか? ②妻も持分に応じて不動産所得の申告が必要でしょうか? ③購入時の諸経費は不動産所得の経費として計上できますか?(経費となる項目とならない項目があるのですか?) ④不動産所得は損益通算ができると聞きましたが、事業所得が黒字で不動産所得が赤字の場合、節税となりますか? ⑤妻の給与源泉税も損益通算時、還付となりますか? ⑥妻の青色専従者給与が駐車場賃貸により取消される可能性はありますか? ⑦その他注意点があればお願いします。 お手数をおかけしますがよろしくお願いします。 |
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No.1 | 回答者:西山元章 税理士 | 回答日:2012年2月6日 | |
佐藤さん 公認会計士・税理士の西山元章と申します。 よろしくお願いたします。 ①23年分は駐車場収入は少額ですが不動産所得を確定申告しないといけないでしょうか? 不動産所得は赤字のようですね。申告すると、事業所得と通算されるので、税金の負担が軽くなりますよ。 ②妻も持分に応じて不動産所得の申告が必要でしょうか? 持ち分に応じて、申告してください。 ③購入時の諸経費は不動産所得の経費として計上できますか?(経費となる項目とならない項目があるのですか?) 登記費用…経費 仲介手数料…経費にならない(土地の取得費) 契約書印紙代…経費にならない(土地の取得費) ④不動産所得は損益通算ができると聞きましたが、事業所得が黒字で不動産所得が赤字の場合、節税となりますか? その通りです。 ⑤妻の給与源泉税も損益通算時、還付となりますか? 不動産所得が赤字であれば、確定申告により還付となります。 ⑥妻の青色専従者給与が駐車場賃貸により取消される可能性はありますか? それはないと思います。 ⑦その他注意点があればお願いします 土地を取得した時に、前所有者に固定資産税を精算して支払った金額については、その固定資産税相当額は経費になりません。土地の取得費となります。 不動産所得の赤字のうち、土地を購入するために支払った借入金利息に対応する金額は、事業所得や給与所得等他の所得と損益通算できません。 受け取った保証金は、退去時全額返還されるのであれば、収入になりません(預り金)が、返還されない部分は23年分の収入になります。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所 | ||
No.2 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2012年2月6日 | |
佐藤さん、はじめまして。税理士の小林慶久と申します。宜しく御願いします。 ①基本的に不動産所得分の申告は、もちろんしなければなりません。それに平成23年分に関しては、12月分について収入が5,000円で不動産管理会社に対する管理料6,300円を必要経費だとすれば、それだけで1,500円の赤字が発生し、購入時の際の登記費用等の諸経費を加算すれば、さらに赤字が拡大することで、事業所得と相殺することによる節税効果もあるため、佐藤さんに関しては不動産所得分の申告をされた方が税務上のメリットがあると言えます。 ②奥様も原則として持ち分に対する不動産所得の申告が必要になります。後の⑤の質問とも関連のあるところですが、平成23年分については、上記①の赤字と給与所得が損益通算出来るため、申告による還付額が少額ではありますが、発生することになります。ゆえに、奥様も持ち分に応じて収入や経費を按分することにより、不動産所得を申告された方が税務上のメリットもある形になります。それに長期的な視点で考えれば、御夫婦合算の所得を分配出来るという節税効果もあると思います。奥様分の不動産所得に関して、本年の3月15日までに青色申告の届出を提出されれば、平成24年分より青色申告特別控除が最大限65万円まで適用可能になるため、さらに今後の節税効果が広がると思います。 ③経費計上は、もちろん可能であり、佐藤さんが列挙された諸経費の他に不動産所得税や今後は、毎年掛かって来るものとして駐車場に課される固定資産税があります。それらも当然、必要経費に算入することが認められるものであり、先程の②で申し上げたように、奥様分と持分に応じて按分されれば良いのではないでしょうか? ④上記①で申し上げたように事業所得の黒字の幅が圧縮されることになるので節税につながります。 ⑤上記②で申し上げたように確定申告により不動産所得が赤字であるなら還付されることになると思います。 ⑥青色事業専従者に関しては不動産収入の有無は関係無く、給与の額に見合った労働をされていらっしゃれば、全く影響は受けません。 ⑦今後の注意点として現在、佐藤さんは事業所得=黒字、不動産所得=赤字という前提で考えておられ、それであれば①~⑥に申し上げたことを御参考にして頂ければと思うのですが、いずれ駐車場の賃貸収入も契約が増えることにより、黒字になるかと思います。そうなってくると、個人の所得税の負担が重くなって来るはずだし、それに黒字であるか赤字であるかを問わず、収入(売上)金額については事業分も駐車場賃貸分も消費税の課税対象になってしまいます。そこで、諸々の対策を含めて法人を設立し、雑貨店を法人成した後、佐藤さんと奥様が会社から給料(役員報酬)をもらう形にされても良いのではないでしょうか。理論上、法人からの給与所得=事業所得であれば、給与所得控除があるため、通常は給与所得の方が事業所得に較べると、税金的には有利になります。それを前提に、佐藤さん、奥様のそれぞれの駐車場の賃貸収入が年額1,000万円以下であるならば、長期的には個人の不動産収入に関する消費税は課税されません。また、法人化と重ねて佐藤さんの奥様が店長をされている支店の売上と彼女分の駐車場収入の合計が1,000万円以下であるならば、その支店に関しては本店と切り離して奥様の個人事業の店として経営されれば、重ねて長期的な消費税の節税に繋がる可能性もあります。 是非今度機会がありましたら、本店及び支店の大まかな売上やそれぞれの損益状況を呈示して頂いた上でまた、それらに関する御質問をして見て下さい。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
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