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No.1109 | 退職所得の計算と税金 |
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お名前:masahiko | カテゴリー:所得税 知恵袋 | 質問日:2012年11月14日 |
中小企業の経理担当者です。 当社の社長は創業者で、二つの株式会社の社長をしております。(それぞれの会社の持株状況は現社長がすべて100%保有)高齢になったため、長男と次男にそれぞれの社長を譲る方向で進んでおります。経理担当者として具体的に社長退職について検討しておりますが、下記の通り確認事項がありますのでお願いします。 Q1.功績倍数方式で適正退職金を計算する予定ですが、2社の社長をしている場合、計算に影響を受けますか?それぞれの会社を単純に計算して問題ないですか? Q2.同一年に退職すると、両方の退職を合算して、退職所得の源泉税を再計算するのですか? もし計算上不利になるのであれば、別々の年度に退職すると節税となりますか? Q3.小規模共済に加入しているので解約が必要ですが、これも退職所得として合算して退職所得を計算するのですか? |
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No.1 | 回答者:大西信彦 税理士 | 回答日:2012年11月14日 | |
上記の件です。 1.それぞれの会社の役員退職金規定等で、功績倍率を2社の勤務実態を考慮することなく、別々に算定する規定になっていれば、それぞれの会社で単純に計算していくことになるでしょう。 2.同一年に2社から退職金を支給された場合には、その合計額を基礎として、そこから退職所得控除額を控除して退職所得を計算します。 退職金から控除できる退職所得控除は 基本的に勤続年数20年以下の時には400千円×勤続年数、20年超の場合には700千円×(勤続年数―20年)+8,000千円 で計算しますが、同一年に退職された場合には、勤続年数が重なる場合には、その部分につき勤続年数が2重にカウントされない規定になっております。 また、仮に別々の年度に退職された場合は、後の年度に支払われた時の退職所得控除を計算する場合には、前年以前4年内に支給された退職金に係る退職所得控除を計算する際の勤続年数と重なる部分は、2重にカウントされない規定になっております。 節税の観点からは、現行の税制を前提にかんがえるのでしたら、片方の会社の退職を平成24年にされるのでしたら、もう一方の会社の退職を平成28年にされるのが退職所得控除をフルに使えるということになります。 3.小規模共済から支払われる、一時金については退職所得として扱われますので、退職金等と合算して退職所得として計算することになります。 その場合には中小企業基盤整備機構に『退職所得申告書』に必要事項を記入して提出する必要があります。 なお、分割で受け取られる場合は公的年金等に係る雑所得となります。 以上、ご参考願います。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 大阪府大阪市北区の大西公認会計士事務所 | ||
No.2 | 回答者:小林慶久 税理士 | 回答日:2012年11月14日 | |
masahikoさん、はじめまして。税理士の小林慶久です。宜しく御願いします。 御質問の順番に従って、以下に回答させて頂きます。 A1、御社の社長がそれぞれの会社の経営に実質的に関与されていらっしゃるのであれば、役員退職金の支給自体について制限が税務上課されることはありません。ただし各々に関して役員退職金規定の整備、その支給の決定に関する株主総会議事録等の整備が必要になり、2社から退職金を支給されることになると、それぞれの退職所得の算定に関する退職所得控除額の計上に、一定の制限が設けられる形になるので、御注意して下さい。 A2、退職金の支払に伴う源泉所得税については、2つの会社が単独で御互いの動向に左右される事無く、徴収されれば良いのですが、社長個人の退職所得として2社分の退職金を合算により、他の所得とは別建てで課税されることになります。よって仰られるように、それぞれ支給される年度を別にした方が結果として課される税額は少なくなると思いますが、双方を合わせた退職所得控除額の算定に関しては上記A1で申し上げたように、両社からの退職金の受給に伴う退職所得の算定に際して、調整が必要になります。 A3、仰られるように小規模共済の解約金も基本的に、退職所得として両社からの退職金と合わせて、課税されることになります。よってトータルの税額を計算されるためには、例えばですが2つの会社をA社、B社と設定すると、平成24年中にA社からの退職金が支給され、平成25年の年末にB社からの退職金が支給され、手続の都合上役員の辞任に伴う小規模共済の解約金が入金されるのが、平成26年の年明け以降というような流れで考えられても宜しいのではないでょうか? ちなみに小規模共済の解約金に関しては、病気や怪我等の一定の事由に基因するものであれば、分割給付により、年金収入のような雑所得として、その収入を申告することの選択が可能になる場合もあるので、2つの会社から社長が受け取ることになる退職金の具体的な金額と照らし合わせて、総合的に御検討されて、合法的に税額が軽減出来るプランを考えて見て下さい。 注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。 |
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回答者 | 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所 | ||
税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
『https://www.zeitan.net/chiebukuro/所得税/No1109 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。