一括見積もり 税理士を選ぶ 無料相談・知恵袋 税理士を選んでもらう

トップページ > 知恵袋 > 法人税 > 逓増定期保険

会員ID(メールアドレス)

次回から
自動入力 

新規登録はこちら[無料]
パスワードを忘れた方はこちら

堀内勤志 税理士
東京都
小林慶久 税理士
千葉県
大西信彦 税理士
大阪府
國村武弘 税理士
東京都
川崎晴一郎 税理士
東京都
小川雄之 税理士
大阪府
小西巌 税理士
東京都
奥田慎介 税理士
東京都
森田寛子 税理士
大阪府
松島一秋 税理士
愛知県



逓増定期保険
No.946

逓増定期保険

お名前:taka カテゴリー:法人税 知恵袋 質問日:2012年3月21日
中小企業の社長です。保険代理店から節税対策と私個人の財産形成を目的とした逓増定期保険加入を提案されました。
会社名義で逓増定期保険に加入し、数年間は保険料の1/2を経費計上して節税を図り、解約返戻率が低い間(3年目前後が20%)に会社から社長である私個人に時価(=解約返戻金相当額)で売却します。個人にて1~2年間保険料を支払った後、解約返戻率が一番高いところ(約90%)で解約すると、保険金は一時所得となりますが、(保険金収入-支払総額(会社からの買取金額+個人支払保険料)-50万円)の1/2となるため税金が少なくなるというものです。
この保険が問題なければかなりの節税になると思いますが、下記の点が問題ないか不安です。
①保険を売却時、時価(=解約返戻金)で売却すると問題ないとのことですが、この時点で含み益が 多額になっていると思いますが、時価は解約返戻金のみで問題ないのでしょうか?含み益も合計しなくてよいですか?
②同様に、会社は売却時、1/2(50%)の保険積立金がありますが、時価(解約返戻率20%)で売却するため、売却損が30%発生しますが問題ないのでしょうか?
③一時所得を計算する時の経費となるのは、(会社からの買取金額+社長個人支払保険料)で良いのでしょうか?
④同族会社での会社と社長個人との関係は恣意性が働くため、不当に税金を減少させていると判断された場合、 強制的に追徴課税される場合があると聞いていますがそれに該当しないですか?
以上宜しくお願い致します。



No.1 回答者:小林慶久 税理士 回答日:2012年3月21日
takaさん、はじめまして。税理士の小林慶久と申します。宜しく御願いします。以下に質問の順番に沿って回答させて頂きます。

 ①御質問で仰られている逓増定期保険に関して会社から個人への移行予定時である契約後3年目の解約金返戻率は約20%ということで、支払われる保険料の半額が累積されていく会社計上の保険積立金の額は、解約返戻金よりも当然多いと思います。個人に譲渡されるとしたら、基本的には解約返戻金の額では無く、帳簿価額である保険積立金の額で譲渡するべきではないでしょうか。後の④の御質問にも関連することですが、契約者変更時の解約返戻金で譲渡した形にされるとすると、その時点の保険積立金との差額に関して、税務上は役員賞与と見做されてしまう危険性が高くなります。
 ②上記①で申し上げたこととも関連するのですが、御質問のような経理方法だと、会社の側からすれば既払込保険料額の30%の部分に相当する売却損について、役員賞与として見做され損金不算入の適用を受けてしまうことが懸念されます。
 ③御質問の流れを前提に社長個人の一時所得の計算をされるとしたら、必要経費の算定方法としては、takaさんが仰るような方法で構いません。ただし会社からの買取り金額は、前述の①②で述べさせて頂いたように譲渡時における保険積立金の帳簿残額になります。
 ④上記①、②でも申し上げたのですが、法人から個人への移行時に際し解約返戻金額で譲渡価額を設定されると、帳簿上の保険積立金額との差額、全体の累積の保険料の払込金額の30%に相当する会社サイドとして売却損に計上する部分について役員賞与の損金不算入、個人については役員賞与として所得税及び住民税の負担をしなければならず、いわゆるダブルパンチで課税されることになってしまうのです。

 御質問の逓増定期保険については、平成20年に出された法人税個別通達により保険会社等に対して従来の節税目的に偏重された商品の勧誘状況を是正するために、それまでは払い込んだ保険料について全額損金算入が認められたものについて、先の通達が出された以降は基本的に契約内容に応じ、払込んだ額の半額以上の資産計上が義務付けられることに至りました。今回のケースのような場合では、これまでに申し上げたように契約移行時に会社で保険積立金として計上されている額で個人に譲渡すれば、差し当たっての税務上の問題は生じないと思うのですが、上記の経緯を考えますと、今後の方向性として一連の行為が租税回避行為のように見做され、解約返戻金受取時に個人の一時所得として計上出来る部分が制限され、具体的には会社として保険料を払い込んだ期間に対応する返戻金については役員賞与のように見做されてしまう危険性が無いとは言えません。昨年の国税通則法改正の影響もあり、税務調査の対象期間も5年前まで遡れるようになったことも御質問の一連のプランに微妙な影を落とすような気も致します。
 私としてはtakaさんが御質問の逓増定期保険の契約について、まだ検討中ということでしたら生命保険については、あくまでもオーソドックスに万が一の保障に備える目的のものを最優先に考えられ、個人の可処分所得を増やされたいということでしたら、長期的な視野で所得控除の対象にもなる小規模共済に加入すること等を考えていかれた方が将来に及ぼす諸々のリスクが少なくなると思います。経済情勢が不透明な昨今、生命保険会社の財務状態の激変により、想定されていた解約返戻金が目減りしてしまうことも十分に考えられるのではないでしょうか?

 

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 千葉県市川市の小林慶久税理士事務所
この回答は  (役にたった/10件)

No.2 回答者:西山元章 税理士 回答日:2012年3月21日
 takaさん、公認会計士・税理士の西山元章と申します。
 よろしくお願いします。

 takaさんの仰せのスキームは、「逓増定期契約者変更プラン」と称して、外資系のM生命等がさかんに提案していたようですね。
 国税当局との訴訟にまでなりましたが、一部は租税回避行為(いわゆる脱税行為)として認定され、平成23年度の税制改正項目となりました。
 
①保険を時価(=解約返戻金)で売却することは問題ありません。
含み益が多額ということですが、解約返戻金で譲渡しますので含み益はありません。仰せの含み益とは「現時点」ではなく「将来」発生予定ということです。将来、急速に含み益が発生するところに、このスキームのキモがあるのです。

②払込金額の50%が資産計上され、解約返戻金が払込金額の20%であれば、差の30%は譲渡損が発生することとなります。これも仰せのとおりです。

③解約時の一時所得の経費も、仰せの通りです。
 これは平成23年度の税制改正で明らかにされたところです。

④個々の取引をみると特に問題がないように思えますが、一連の取引をみると、明らかに法人から個人へ所得が、ある意味において税負担が軽減されて、移転しています。それゆえ、takaさんのご心配はもっともであり、全体の流れの中で否認される可能性は否定できません。、
租税上のリスクがあることをご承知のうえ、ご検討ご実行していただくこととなります。

注) この回答は回答日時現在の各種法令、規則等に従い行われております。その後の法改正等に関するフォローについてはこの回答上では行っておりません。なお、この回答は回答者の経験、知識等に基づき行われておりますが、あくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。

回答者 大阪府大阪市北区の公認会計士・税理士西山元章事務所
この回答は  (役にたった/22件)



「最適税理士探索ネット」の趣旨に全く関係ない質問や回答等をされている場合は、運営者の判断により質問者や回答者への断りなしに該当事項を削除させていただきます。

税理士への相談は、基本的に、各税理士の報酬規程に沿って「有料」だとお考え下さい。詳しくは税理士本人にお問い合わせ願います(この場合、回答者のみにお問い合わせをお願いします)。
https://www.zeitan.net/chiebukuro/法人税/No946 のご回答から追加でお話を伺いたいのですが、相談料はどのように考えればよろしいでしょうか』 と、税理士に配慮した丁寧なお尋ねをしていただければ、きっとリーズナブルな対応をしてくれると思います(追加で無料回答を行ってくれる場合もあるかもしれません)。

検索  を  の  から

法人税 知恵袋の他のQ&Aを見る



会計・経理 知恵袋法人税 知恵袋所得税 知恵袋消費税 知恵袋相続税・贈与税 知恵袋その他の税金 知恵袋その他 知恵袋